12月17日鯨がいた
朝間詰めから、北西の風が強かった。

「沖に出てみたい」

そう思いながら沖合に目をやるが、白波が立ってウネリがあった。

「暫くは島影で、風を避けるか…」

大島に近いところでも、200グラムのジグが必要なほどの風が吹いている。

風除けのために入った、浅場のポイント。

思わぬ、大きなアタリが来た。

信司に、強いアタリが来た。

竿が目一杯の曲がりを見せて、ドラグがラインが引き出される。

「上がってこない」

何度かラインを引き出された後、突然、針が外れた。

しかし、突然の大当たりは、次の流しでも来た。

真下に、強烈に突っ込んでいる。

強い引きに耐えていると、姿が見えてきた。

「サメだ」

1メートルくらいのサメが、上がってきた。

「ガッカリやな…」

私の頭の中では、寒鰤を想像していた。

鍋島さんに、アタリが来た。

獲物が走り回っている。

海中に、白く光る魚体が見える。

「カツオみたい」

上がってきたのは、スマカツオだった。

潮が緩く上っている分、水温が20度前後になっている様だ。

ポイントを移動すると、脇坂さんにアタリが来た。

真下に突っ込みながら、竿先を叩くアタリ。

「ニベかな。スレ掛かりかな」

色々と想像しながら、巻き上げていくが…。

「針が外れた…。何で外れるか」

口ではなく、身にスレ掛かりしていたのかも…。

信司の針には、大きな鱗が2枚刺さって上がってきた。

「風が落ちてきたかな」

強く吹いていた、北西の風が少し落ちてきた様子。

「移動しましょうか」

沖合のポイントに、移動してみた。

少々のウネリはあるが、風は可成り落ちている。

船首にいる横山さんが「鯨がいます」と、沖を見ている。

「何処にいる」

沖合に目をやると、船の直ぐ沖を大きな鯨が泳いでいる。

潮吹きの音が「ブォー」と、聞こえる。

「でかいな」

みんなで、暫く鯨を見ていた。

鯨が見えなくなって、釣り再開。

潮が0.7ノット前後で上っている。

「潮自体は良い感じですよ」

鍋島さんが、アタリを捕らえた。

正体は、大きなエソだった。

信司もアタリを捕らえた。

上がってきたのは、レンコダイ。

このレンコダイがヒットした頃から、アタリが出始めた。

船首で、横山さんがアタリを捕らえた。

竿先を叩くアタリ。

「真鯛みたいですね」

「多分、真鯛ですね」

1.5キロクラスの真鯛が、姿を見せた。

「どうにか、嬉しい魚が来ました」

横山さんも真鯛の釣果に、ホッとした笑顔になっている。

時折、魚探に大きなベイト反応が出てくる。

「もしかしたら、鯖の群かも」

脇坂さん、信司が、30センチくらいの鯖を掛けている。

仕掛けの巻き上げ途中に、ヒットしてくる。

その鯖を生き餌に、信司の手作りの仕掛けを入れていた。

強いアタリが来た。

「来ました。何か来ました」

手釣りで獲物を引き上げていく。

仕掛けが太いだけに、切られる心配は少ない。

しかし、姿を見せたのは、ハンマーヘッドだった。

船首の横山さんに、ラインが出ていくアタリが来た。

ゆっくりと、魚とのやり取りを楽しむ。

「白い魚が見えます」

海中に白く光る魚体が見えてきた。

「イトヒキかな…」

上がってきたのは、大きなイトヒキアジだった。

このイトヒキアジから、横山さんの調子が上がってくる。

ポイントを移動すると、一投目からアタリが来た。

「何かが追い掛けて来ます」

仕掛けに何かが、バイトしている様子。

「乗った!」

上がってきたのは、良型のレンコダイ。

その後に、続けてアタリが来る。

1.5キロクラスの真鯛が、続けてヒットしてきた。

「食べて美味しいサイズですね」

鮮やかな真鯛のピンクが、日差しに照らされて綺麗だ。

信司にも、アタリが来た。

サゴシが上がってきた。

少し前に「仕掛けを切られた」と、横山さん、脇坂さんが言っていた。

「ホール中に、やられた」

このクラスのサゴシが、寄っているのだろうか」

鍋島さんに、アタリが来た。

上がってきたのは、良型のタチウオ。

「切られたのは、タチウオも考えられるね」

指3本クラスのタチウオが、続けてヒットしてきた。

少しずつ、聴視が上がり始めたが…。

午後になって、再び、西の風が強くなってきた。

「西南西の風みたいですね」

北東からのウネリと、風がぶつかって、ウネリが大きくなり始めた。

「引き上げますか」

船を走らせると、波飛沫が上がり始めた。

安全第一で、帰港した。

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