開進丸
11月5日内場にて
朝のタチウオは、30分位で切り上げた。
魚探にベイト反応が、出てこない。
「風が出てくる前に、沖に出てみましょうか」
一つテンヤで、真鯛狙いに切り替える。
裸バエ辺りに来ると、北東からのウネリが寄せて、船が上下に揺れる。
船の揺れも気になるが、魚探に出てくるベイト反応が気になった。
「ベイトボールが、沢山出てきますね」
「ちょっと、やってみますか」
少し沖合に出て、船を止めてみた。
釣りを開始して、直ぐのこと。
「凄い、凄いですね」と、久家さんが声を上げた。
その久家さんの目線の先には、凄いナブラが起きていた。
カツオ類のナブラのように見える。
海面には、小さい鰯だと思われる小魚が、沢山見える。
もしかしたら、ベイト反応の正体は、これかも知れない。
海面にナブラは立つものの、アタリが出てこない。
その内に、北東の風が強くなり、沖から白波が立ち始めた。
天気予報を確認すると、風がもっと強くなる予報。
「内場に行きますか」
久家さんと話して、移動する事にした。
内場に入ると、直ぐに反応が出てきた。
「ここは、良い反応がありますよ」
直ぐに久家さんが、竿を出す。
いきなり、ホール中にアタリが来た。
竿先が激しく叩かれるアタリ。
竿先が、海面に突き刺さるようなアタリが来たが…、針が外れた。
巻き上げて針を確認して、直ぐに仕掛けを入れていく。
「又、来ました」
今度は、ドラグ音が鳴り、ラインが引き出される。
「青物かな、真鯛の様にも感じるけど…あっ…外れた」
ラインを巻き上げると、針が結ばれていたケプラーが切れていた。
一投目からのアタリの連続に、期待感が膨らむ。
仕掛けを作り直して、気持ちも新たに竿を出していく。
直ぐにアタリが来た。
「今度は逃がさない」
慎重に、やり取りを繰り返す。
やがて、姿を見せたのは1キロ超の真鯛。
アタリの正体は、真鯛だった。
「綺麗な真鯛ですね」
「上げることが出来て、ホッとしました」
久家さんに、笑顔が戻った。
この後のアタリには、大きなエソが混じり始めた。
魚探に出てくるベイト反応は、内場では多い気がする。
一投目から、切られたり、外れたりと悔しさも続いたが、楽しみも出てきた気がする。