開進丸
8月30日台風が来る…かも
「台風9号対策は、どうしよう」
そんな心配をしながら、毎日、天気予報を見ている。
今日も「風が出てくるでしょうね」と、気を揉みながら船着き場を離れる。
海上では、北西の風が吹いている。
波も、以外に穏やかだ。
「今の内に、頑張りましょう」
東原さん、村山さんが竿を出していく。
仕掛けが、真下に入っている。
「下潮が、余り動いていないみたいですね」
北西の風が弱いことも、影響しているのかも知れない。
一流し毎に、船の流れるコースが変わる。
村山さんに、アタリが来た。
ヒットしてきたのは、レンコダイ。
村山さんに、続けてアタリが来た。
真鯵がヒットしてきた。
「真鯵が居れば、期待が膨らみますね」
気持ちの中に、青物への期待が出てくる。
村山さんに、真鯵が連続してヒットしてきた。
釣り始めて、1時間ほどすると、風が変わってきた。
船の向きが変わって、北東の風が吹き始めてきた。
北東の風が吹き始めると、波が立ち始める。
「早めに、釣果が欲しいな」
天気図で、台風の強風域ギリギリに入っていることが、気になっている。
「何か来ました」
村山さんにアタリが来た。
「走りますね。ハガツオかも知れませんね」
海中に、獲物が見えてきた。
「スマカツオですね」
良型のスマカツオが、上がってきた。
東原さんにも、強いアタリが来た。
「ガツンと、来ましたね」
最初の走りに耐えて、巻き上げに掛かった時に針が外れた。
仕掛けを回収して見ると、針に魚の鱗だけが付いていた。
「何の鱗だろう」
「真鯛かな。ニベかな…」
この頃になると、北東の風が益々強くなってきた。
船の揺れも、徐々に大きくなってきている。
「帰りましょうか」
村山さんがアヤメカサゴを釣り上げたのを締めとして、帰港した。
台風9号が、少しずつ北上している。
「明日は、厳しいかな」
「朝から、波風が出る気がしますね」
台風9号の進路に、気を付けなくてはいけない。