開進丸
7月19日動かない潮
「潮が完全に止まったやろ」
船着き場に帰って来た時の、仲間達の感想。
流速も、0.0ノットと表示された。
アタリが出なくなって、仲間達も可成り苦戦していたみたいだった。
潮の色は、そんなに悪い感じはない。
潮行きは、潟に向けて突っ込んでいた。
しかし、風と潮行きがクロスする感じで、仕掛けが船の下に突っ込んでしまう。
船の向きを調整しながら、仕掛けが沖に出ていくようにする。
長友さんに、アタリが来た。
鯖がヒットしてきた。
最近は、鯖のアタリが多い。
旭先生にも、アタリが来た。
丸々と太った大鯖。
脂がのって、元気が良いだけに、走りは力強い。
船首で、関屋さんが捕らえたアタリは、レンコダイだった。
狙っているイサキのアタリが、なかなか出てこない。
やはり、動きがイマイチ悪い潮の影響なのだろうか…。
仕掛けを入れていくと、着底と同時にアタリが来る。
ウッカリカサゴが、ヒットしてきた。
旭先生も「着底して、直ぐ来た」と、アタリを捕らえている。
やはり、ウッカリカサゴがヒットしてきた。
長友さんに、鯖やカサゴと違うアタリが来た。
良型の、真鯵が上がってきた。
「鯵が来ると、嬉しいですね」と、ホッとした笑顔。
着底と同時にアタリが来ることから、底近くを探っていた関屋さんに、強いアタリが来る。
良い感じの、曲がりを見せているが…。
「あっ…外れた…」
喰いが浅い様で、途中で針外れが起きる。
動きの悪い潮も、大きく影響しているのだろう。
アタリを探り続ける関屋さんが、強いアタリを捕らえた。
「根魚かな。ただ、重いだけやな」
ゆっくりと、巻き上げていくが…やがて、姿を見せたのは…。
1メートルを超す、ハンマーヘッドだった。
期待が大きかっただけに、力が抜ける。
仕掛けをチェックして、次に関屋さんがアタリを捕らえた。
良型のチダイが、上がってきた。
関屋さんの丁寧な探りが、次々とアタリを捕らえている。
潮の動きに併せて、慎重にポイントを選んでいく。
ベイト反応の、良いところが出てきた。
ベイト柱が出来ている。
長友さんに、直ぐにアタリが来た。
アヤメカサゴが、ヒットしてきた。
旭先生にも、アタリが来た。
良型の真鯵が、上がってきた。
「鯵が良いですね」
旭先生の笑顔が見られた。
ベイト反応の中を探っていた長友さんに、大アタリが来た。
「これは、鯵の引きじゃないよ」
「このやり取りの緊張感は、胸がバクバクしますね」
「こんな強い引きは、初めてや」
色々な感想を口にしながら、強い引きを楽しんでいる。
上がってきたのは、83センチ、5.0キロの良型のニベ。
旭先生もVサインで、一緒に記念撮影する。
潮の動きが悪い中で、何とか良い型のヒットが出てきた。
私も嬉しい。
捕らえているベイト反応からは、ポツポツとアタリが来る。
鯖のアタリが次々と来る。
時折混じる、真鯵の型も40センチ近い。
しかし、予報とは違う南東の風が強くなってきた。
「こん風は、落ちそうに無いよね」
関屋さんと、風の予報を調べる。
「段々と、強くなって行く見たいですね」
「良い感じのベイトを捕らえた」と思ったのだが、天気が思うよう好転しない。
「今の内に、移動した方が良いですね」
風が強さを増して、白波も立ちだしていた。
やはり、安全第一で帰港することにした。