6月27日雨が来る前に
「雨が九時頃には、降るみたいですね」

「それまでの間に、勝負したいですね」

早朝は、意外と穏やかな海だった。

塩田さん、蔵屋さんと共にポイントを目指す。

風も、南よりの風が吹く予報になっていたが、朝は北東の風が吹いていた。

ベイト反応の有るところから、船を流していく。

ベイトの正体は、鯖子ではなく鰯だった。

潮行きは、緩い上り潮が沖に払い出している。

いきなり、塩田さんにアタリが来た。

竿が、真下に突っ込んだ。

「青物か…」と、期待する。

しかし、どうも突っ込みが弱い気がした。

上がってきたのは、ニベだった。

「ニベでも良いです」

兎に角、アタリが有ることが大切と、血抜き処理する。

魚探に出ているベイト反応に、ニベが寄って居るみたい。

塩田さん、蔵屋さんに、バイトがあるが針掛かりしない。

ベイト反応の有る処を、コースをずらしながら流していく。

塩田さんにアタリが来た。

強い引きを見せながら、上がってきたのはニベ。

「今日は、ニベ祭りになるのかな」

根魚も、ヒットしてきた。

アヤメカサゴが、ヒットしてきた。

この頃から、少し潮に変化が出始めた。

上潮は動きがイマイチだが、下潮の動きが早くなってきた。

「底取りが難しい」

「ラインが、可成り出ていく」

と、速い流れになっている様子。

水深70メートルよりも、深いところに行くと1.5ノット前後で潮が流れていた。

これに、北東から南西に変わった風が船を押してくる。

「流れる速度が、1.7ノットになったりしますね」

風と潮に苦戦する。

やや浅場に移動する。

ベイト反応は、小さいが出ている。

蔵屋さんにアタリが来た。

「イサキみたいな引きですね」

海中を覗いていると、茶色い魚が見えてきた。

一瞬「エソか…」と思ってしまった。

上がってきたのは、良型のイサキ。

「今年初のイサキです。釣りたかったですね」

蔵屋さんの笑顔が良い。

イサキが出たところで「今からだ」と、期待が膨らむのだが…。

沖から見える、山々に雨雲が掛かり始めた。

風も南東の風に変わって、ウネリが立ち始めた。

「雨が来ると、雷が気になりますね」

スマホで天気予報を調べると、昼に掛けて風が強くなる予報。

「雨雲が近づいています」と、お知らせが入る。

「都井岬が、見えなくなりましたね」

船仲間からも「帰ります」と、連絡が来た。

塩田さん、蔵屋さんと話して、引き上げることにした。

#九州 #宮崎 #イサキ #ジギング #ニベ