6月20日真鯛がダブル
ポイントでは、既に北東の風が吹いていた。

港を出る時は「今のところ、風が無いね」と、嬉しさを覚えていた。

しかし、予想は見事に覆された。

インターネットで、風の予報を確認する。

「午前9時過ぎには、風力が7メートル近くになっている」と、気持ちに焦りみたいな感情が生まれた。

「兎に角、朝間詰め勝負には違いない」

塩田さん、脇坂さん、栗原さんが、竿を出す。

ベイト反応は、凄い。

その正体は、鯖子。

ジグにダブルで、次々とヒットしてくる。

「ジグが下まで入らない」

ホール中に、針掛かりしてくる。

その中に、たまに丸々と太った大鯖が、ヒットしてくる。

「今日は、鯖だらけかな」

そう思ったところに、塩田さんにアタリが来た。

「鯖とは、違います」

1キロクラスの真鯛が、上がってきた。

「鯖子の中に、真鯛が寄っていると思いますね」

北東の風が、段々と強くなってきた。

ウネリも、徐々に高くなっている。

風と潮の流れが、同じ南方向に流れている。

その分、船が流される速さが、速くなっている。

「1ノット以上で流れています」

その速い流れの中で、脇坂さんと栗原さんに、ダブルでアタリが来た。

どちらも、竿が大きく曲がっている。

竿の曲がり具合を見ていると、栗原さんには青物が来ている様子。

「もしかしたら、さっき見えていたシーラかも」

1メートルを超す、シーラの姿が確認されていた。

もの凄い速さで、ラインが引き出されている。

脇坂さんのアタリも、真下に突っ込みを見せている。

「船が動かせない。頑張って上げてね」

応援している途中で、栗原さんがラインを切られた。

「切られました…」と、悔しそう。

脇坂さんの獲物が、姿を見せてきた。

「真鯛がダブルヒットです」

2キロクラスと、1キロクラスの真鯛がダブルで針掛かりしていた。

「良い感じになってきたね」

そう感じたのだが、益々強くなってきた北東の風を避けるように、ポイントを移動することにした。

「風と、ウネリを避けましょう」

ポイントを移動する。

移動した先も、ベイト反応は出ていた。

正体が鯖子なのは変わらない。

塩田さんにアタリが来た。

2キロクラスのオオモンハタ、1キロクラスの真鯛が続けてヒットしてきた。

「これは、嬉しいハタが来ました」

塩田さんの、嬉しそうな表情が良い。

船首で頑張っている栗原さんにアタリが来た。

40センチクラスの、大きな真鯵が上がってきた。

大鯵は続けて栗原さんに、ヒットしてきた。

2匹目の鯵はスレ掛かりだった。

針掛かりしたところから、血が出ていたのでタモに入れたまま海面で洗った。

これが大失敗。

気が付かない内に、タモが傷んで解れていた。

「あっ…!」

その解れた穴から、鯵が逃げた。

「あっ!、逃げられた!」

私の叫び声に、船内に笑い声が起きた。

「ごめん栗原さん…」

「大丈夫ですよ」と、笑顔で返してくれた栗原さんに感謝。

気を取り直して、船を戻す。

塩田さんに、良型の真鯵が来た。

逃がさないように、慎重に船上に上げる。

栗原さんに、強いアタリが来た。

この栗原さんのアタリと同時に、塩田さん、脇坂さんにもアタリが来ている。

しかし、鯵を逃がした失敗があるだけに、栗原さんに釣り上げて欲しいと、船首に行く。

塩田さんにはカサゴ、脇坂さんには真鯵が上がった。

栗原さんの獲物も、姿を見せた。

2キロクラスの、ニベだった。

「兎に角、良かった」

再び、笑い声が起きた。

鯵を取り逃がす失敗もあったが、真鯛のダブルヒットを頭に、まずまずの釣果に一安心した。

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