開進丸
2月5日風にも負けず
「北風が、どれくらい吹いてくるか、気になりますね」
西高東低の気圧配置から、北風が強く吹いてくる予報。
「海上に出てから、風を見てポイントを決めますね」
かめや釣具宮崎店(神宮)の池之上さん、岡本さんと厳寒期のロックフィッシュ狙いで船を出す。
「この時期のロックフィッシュは、渋いかも知れませんね」
水温も低下している時期であることから、食いの渋さが予想される。
海上に出ると、水平線がギザギザに波立っている様に見える。
予報通り、北風が吹いているようだ。
気持ちは、風にも負けずと、意気込んでいるのだが…。
内場では、北西の風がやや強く吹いている。
「島影の湾内の浅場に入りますね」
水深10メートルあたりから、今日の釣りをスタートする。
島影では、風が回り込んでくる。
何とか、船の体制だけは整えるように、操船する。
瀬の付近を流していると、池之上さんにアタリが来ている様子。
「コツコツとアタリがありますけど、渋いですね」
と、早くも厳寒期のアタリの渋さが、出ている様子。
そんな中でも、池之上さんの鋭い合わせが入った。
最初のアカハタが、上がってきた。
「まずは、一枚」
と、渋いアタリを捉える合わせは、流石の釣技と言わしめる。
岡本さんも、アタリを捉える。
これも、良型のアカハタ。
釣り上げたアカハタは、キープサイズ以下の場合は、直ぐに放流。
池之上さんが、アタリを捉える。
やり取りを見ていると、良いサイズのアカハタのようだ。
40センチクラスのアカハタが、上がってきた。
「これは、キープですね」
笑顔でクーラーに納める。
この頃になると、北風が段々と強くなって、船が風に揺さ振られるようになってきた。
揺れる船首に立ち、盛んに竿を降る池之上さん、岡本さんのバラス感覚は、流石の感覚だ。
大島の表を流しながら、ポイントを移動していく。
内場を覗いてみるが、北西の風が強く、白波が立っている。
「内場の浅場は、無理ですね」
再度、表側の湾内に的を絞る。
岡本さんにカサゴがヒット。
ほぼ同時に、池之上さんにもアタリが来た。
オオモンハタも、ヒットしてきた。
攻められるポイントは、限られている。
その中で、如何にして釣果を上げるか。
繊細な誘い、果敢な攻めと、見ているだけでも、楽しくなってくる。
岡本さんが、強いアタリを捉えた。
良い感じの竿の曲がりが、楽しそうだ。
海面に姿を見せたのは、大きなモンガラハギだった。
30センチはありそうだ。
昼を過ぎると、南東の風が吹いてくるようになった。
島影にいる分、風が回り込んでくるようだ。
池之上さんに、アタリが来た。
綺麗な縞模様をした、アカハタが上がってきた。
攻めるポイントを広げることが出来れば、お二人の釣果はもっと飛躍する筈なのだが。
南東の風が、強くなると浅場の波が高くなってくる。
早めの判断が必要、と考えた。
「池之上さん、岡本さん、風が南東になってきました。上がりたいと思います」
「了解です」
お二人に快諾を頂き、引き上げることにした。