11月17日風を気にしながら
夜明け前の船着き場は、北東の風が吹いていた。

「なんか、イヤな風が吹いていますね」

天気予報で、天気は下降線になっているのは、承知している。

朝間詰めに、勝負を掛けたいと思っているだけに、風が気になる。

これまで、朝一に入っていたポイントを止めて、新しいポイントから入ってみた。

古い魚礁のあるポイント。

魚礁の大部分は、海底に沈み掛けているが、崩れた部分が海底に残っている。

狙いは、ベイトに寄っていると思われる青物。

「カンパチ、ブリが釣りたいですね」

朝一番に入るポイントを、増やす目的もある。

予想どおり、ポイントにはベイト反応が出ている。

一流し目から、塩田さんにアタリが来た。

「カンパチだと良いのですが」

上がってきたのは、ニベだった。

この後、同型のニベをもう一枚、追加する。

山下さんにも、アタリが来た。

山下さんのアタリも、2キロクラスのニベだった。

青物を求めて、次のポイントへ移動する。

次のポイントで、最初にアタリを捉えたのは、山下さん。

70センチクラスの、サワラが上がってきた。

「この時期、脂がのって美味しい魚ですよ」

サワラの料理に、話の花が咲いた。

半年ぶり位に釣り竿を手にする荻窪さんに、待望の大アタリが来る。

いきなり、竿先が海面に突っ込む。

ドラッグ音が鳴り、ラインが出ていく。

ジギングロッドは、塩田さんからの借り物。

無理な扱いは、出来ない。

側について、色々と助力する。

何とか、姿が見えてきた。

「ブリですよ」

塩田さんのタモ入れで、無事に取り込み完了。

96センチの、見事なブリが上がってきた。

「手が震えています」

初の大物に、興奮冷めやらずと言った、状態だ。

塩田さん、山下さんに、此処でもニベがヒットしてくる。

「今年は、2キロ~3キロクラスのニベが多いですね」と、苦笑い。

潮自体は、下り潮が流れている。

0.8ノット前後と、速くも無く、遅くも無くと言った感じだ。

ただ、最近は、朝間詰めの潮が、動きが悪い状況が多々見られる。

「潮が動かない」

と、言われる状況だ。

この様な、状況もあって、早めにポイントを移動していく。

次のポイントも、ベイト反応はまずまず。

山下さん、荻窪さんにアタリが来た。

ゆっくりと巻き上げ、山下さんにサワラが、荻窪さんにニベが上がってきた。

船首では、塩田さんにもアタリが来ている。

塩田さんの釣果は、ワニゴチだった。

ポイントを移動しながら、ベイト反応がどうなっているか、観察する。

「凄いベイト反応だ」

魚探が、水深を間違えるくらいの、反応が出てきた。

直ぐに仕掛けを落としていく。

塩田さんに、強いアタリが来た。

良い感じで、竿が弧を描いている。

力強い相手との、やり取り勝負が楽しそうだ。

やがて、大きなサワラが姿を見せた。

86センチのサワラが、上がってきた。

「美味しい魚が来た」と、塩田さんの笑顔が良い。

荻窪さんにも、ニベがヒットしてきた。

荻窪さんの鯛ラバには、ガンゾウヒラメもヒットしてきた。

この後、塩田さんがガンゾウヒラメを追加。

夜明け前から吹いていた、北東の風は余り強く成らずに釣りが出来た。

釣り仲間も、カンパチの釣果を上げていた。

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