開進丸
8月25日雨降る中で
「今日の天気は、雨が激しく降って、雷も鳴るみたいですね」
岡本さん、宮田さん、辻さんと相談して、明るくなるまで港で待機。
船着き場で、気になる雨雲が過ぎるのを待つ。
今日は、雷を警戒して、余り沖合に出るのは自粛する事にした。
「朝間詰めだけでも、竿が出せれば良いかなと思っています」
岡本さん達の言葉に、雷が鳴らない事を祈るばかりだ。
まずは、タチウオを狙ってみる事にした。
タチウオが何処にいるか、自分なりの経験と勘を駆使して、ポイントを探す。
船を走らせている途中に、小さなベイトボールが出てきた。
「やってみましょう」
岡本さん、宮田さん、辻さんに竿出しを勧める。
仕掛けを入れて、暫くはアタリが出てない。
「居ないかな…」
そう思ったときに、宮田さんにアタリが来た。
良型のタチウオが、上がってきた。
岡本さんにも、アタリが来た。
「此は、引きますよ。魚が違う」
針掛かりした獲物が、何度も突っ込みを見せている。
「カンパチです。ネリゴです」
海中に、ネリゴの姿が見える。
辻さんにもアタリが来た。
宮田さんにもネリゴがヒット。
魚とやり取りを楽しんでいる間は、雨も雷も忘れている。
カマスも、全員にヒットし始めた。
ふと海面に目をやると、小魚が沢山群れて逃げ回っている。
2センチくらいの、イワシに見える。
それを追い掛けて、カマスやネリゴが姿を見せている。
イワシが姿を消すと、海面が静かになった。
岡本さんに、アタリが来た。
「釣りに出られないと思っていただけに、嬉しいです」
タチウオを掲げる笑顔が良い。
辻さんにも、強いアタリが来た。
「真鯛かと思いました」
ニベの強い引きに、笑顔が輝く。
宮田さんにも、タチウオがヒット。
「今日は、諦めていただけに嬉しいです」
タチウオを掲げての笑顔が良い。
岡本さんと辻さんにダブルヒット。
「今度は、3人で写真を撮りたいね」
岡本さんの言葉が、海の神様に通じた。
三人にタチウオがトリプルヒット。
楽しく愉快な3人トリオの笑顔が輝いた。
その後も、ポツポツとアタリが続くが、ポイントを変えて、あちこちに移動する。
岡本さんに、良型のニベとタチウオ。
辻さんに、良型のタチウオが連続する。
宮田さんにも、良型のタチウオが来る。
強い引きを楽しんで、船上に振り上げる。
釣りの途中には激しい雨が降り出して、周りの景色が霞む事もあった。
遠く、近くで雷鳴がするたびに、空を見上げた。
岡本さん、宮田さん、辻さんともに釣りを楽しみながらも、いつでも帰る準備だけはしてあった。
昼近くになって、再び雷鳴が聞こえ始めたのを切っ掛けに、帰港した。
船着き場に帰ると、再び雨が降り出した。
「良い時に帰ってきたね」
ちょっと、ホッとした。