7月9日こんな潮初めて
油津の船仲間は元より、大堂津、南郷の船仲間も、異口同音に同じ事を言っていた。

「潮が、フラフラしながら回転する。安定していない」

風が一定方向から吹いても、船がフラフラと色んな方向に流れる、と言うのだ。

今日の潮が、当にそれだった。

今日は、午前便と午後便の二便になっている。

午前便は早朝に出て、朝間詰めの潮を狙う計画。

下り潮の濁り潮は変わらないが、前日から流れが落ち着き始めていることに期待する。

稲用さん、湯淺さん、早永さんを乗せて、ポイントへと急ぐ。

今日も、南東からのウネリと、北東の風が喧嘩するような状態の海だ。

ここ何日かの釣りで、釣果の上がっているポイントに入った。

直ぐに、魚探でベイトの確認。

海底から浮き上がるように、ベイト反応が出てくる。

稲用さん、湯淺さん、早永さんの三人が、ジギングで攻めていく。

暫く、魚探を眺めていて、有る変化に気が付いた。

ベイト反応が連続せずに、消えてしまう。

「何かが追いかけ回しているのだろうか…」

湯淺さんにアタリが来た。

25センチくらいの真鰺が、ヒットしてきた。

その後も、ポツポツと真鰺がヒットしてくる。

しかし、良型の真鰺のアタリが出てこない。

早永さん、稲用さんも、アタリを取ろうと頑張っているが、苦戦を強いられている。

「今日は、何か変です。潮が可笑しいです」

魚探の航跡を見ていて、驚いた。

風は、北東の風が、やや強く吹いている。

潮は、下り潮が南西方向に、流れている。

風の強さや、潮の流れる方向から「やや西寄りに、船が流れていくはず」と、考えていた。

しかし、数十メートル間隔で、船の流れる方向が変化している。

方向が変わるとき、直角に向きが変わる流れ方をしている。

「こんな流れ方する潮は、初めての様な気がします」

「この流れ方なら、仕掛けが絡むことが無ければ良いけど…」

と、注視しているのだが、お三方の仕掛けが突然絡まったりした。

船の流れる方向が突然変わるモノだから、仕掛けの入る方向も変わってしまう。

「こんなに潮がフラフラした状態では、アタリは出てこない」

「潮が依れることなく、自然に流れるポイント」を探して移動する。

最初に移動したポイントでは、稲用さんのキャスティングにアタリが来た。

カンパチの子供、ネリゴが飛びついてきた。

その前にも、強いアタリが来て、竿が大きく撓る瞬間が有ったのだが、惜しくも針が外れてしまった。

早永さんにも、良い感じのアタリが来たのだが、これも針が外れてしまった。

最初の処から、潮が安定していないことも有ってか、針外れが多発する。

次に移動してポイントでも、早永さんがアタリを捉える。

良型の、アヤメカサゴが姿を見せた。

「放流しますね」と、早永さん。

ポイントの移動を繰り返しながら、良い潮を探すが、なかなか見つからない。

その内に、北東の風に煽られて、ウネリが高くなり始めた。

釣りする上で、気持ちがスッキリしない潮になってしまった。

潮のふらつきに、スッキリとした気持ちになれなかった。

午後便を控え、12時納竿で帰港した。

船着き場に帰ると、午後便の三木さんが既に到着していた。

午前便の、稲用さん、湯淺さん、早永さんと交代して、三木さんを乗せて船を出す。

「午前中の海は、潮がフラフラして相当苦戦しました」

「風が、強くないですか」

「北東の風が、やや強く吹いていますね」

「ウネリもありますか」

「結構なウネリがありますね」

「暫くは、ロックフィッシュをやりたいですね」

「良いですよ。ロックフィッシュやりましょうか」

大島内場の浅場に向かう。

「水深10メートル前後からスタートしますね」

瀬掛かりはお友達のロックフィッシュだが、アカハタをメインに当たれば強い引きが楽しめる。

直ぐに三木さんにアタリが来た。

アカハタがヒットしてきた。

「チョット、小型ですね」と、苦笑い。

船首に立って、浅い岩場を狙ってみる。

マハタがヒットしてきた。

「突然、ガツンと来ますね」と、楽しそうだ。

仕掛けを作り直して、ワームを海面に落とした瞬間に、いきなりアタリが来た。

カンパチの子供、ネリゴが群れを成してワームに飛びかかっている。

何十匹いるのだろうか。

少しずつ、流れに沿って船を移動していく。

良型のアカハタが、飛びついてきた。

「ロックフィッシュ楽しいですね」と、笑顔が良い。

夕間詰めになって、少し風が落ち着いてきた気がする。

「表にでてみますか」

「行ってみましょうか」

大島の東側にでてみた。

北東の風が残り、ウネリも残っているが、何とかやれそうだ。

魚探を見ながら、ポイントを決めていくが…。

「夕間詰めなのに、ベイト反応が余りありません」

ベイト反応が少なかったのは、チョット寂しい。

少しでも、反応のあるところで、竿を出してみる。

ヒットしてきたのは、良型のアラカブ。

その内に、黒雲が空を覆い始めた。

「雨が来ましたね」

「帰りましょうか」と、三木さん。

「雨に濡れるのも嫌ですね」と、帰港することにした。

潮のふらつきに、振り回された感のある一日だった。

(昨夜は、風呂から上がり、居間でテレビを見ながら、寝てしまいました。起きたら朝でした。m(__)m)

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