開進丸
6月10日下り潮が2ノット
ポイントに入り、潮の流れを見たときに「うわ、速い」と、声が出た。
昨日も、潮の動きが速かったが、今日は、それ以上に速くなっていた。
「底は取れるけど、ジグが流される」
脇坂さんも、速い流れに困惑している。
一方で、魚探にベイト反応が、余り出てこない。
「こりゃ、今日は厳しいどね」
最初に船を流したところでは、真鰺がポツポツと行った状況。
釣果に苦労するかもと、覚悟を決める。
水深30メートル前後の浅場から、攻めてみることにした。
しかし、此処も、ベイト反応は余り良い感じではない。
浅場ではあるが、重いジグを用いて攻めてみる。
魚探から、目を離さずにベイト反応が出てくるのを待つ。
「少しベイト反応が出てきましたよ」
すると、脇坂さんにアタリが来た。
真鰺とは違う竿の曲がりだ。
上がってきたのは、良型のイサキ。
「やっと、イサキが来たね」
イサキが1枚出たことで、気持ちが少し落ち着いてきた。
潮が2ノットで流れている上に、北東の風がやや強く吹き始めた。
風波も、少し立ち始めた。
「風が強くなると嫌だな…」
そう思っていたら、ベイト反応に良い兆しが出始めた。
海底から少し浮き上がった、ベイトボールが出始めた。
直ぐに仕掛けを落とす。
直ぐにアタリが来た。
上がってきたのは、35センチクラスの良型真鰺。
真鰺がジグに、反応している。
「チャンス到来」
船を流す距離を短くして、ベイト反応の良いところを集中的に攻めていく。
普段の流し方と、違うやり方で攻めていく。
良型のイサキがヒット。
40センチ前後の真鰺も、連発するようになってきた。
しかし、真鰺は口が弱い。
アタリの3分の1は、途中で針が外れる。
時には「来た、外れた…又来た」と、アタリ外れを繰り返す。
昼前になって、北東の風が少し緩み始めた。
「少し、沖を攻めてみようか」
脇坂さんに、話をして沖合のベイト反応を探す。
ゆっくりと、船を走らせながら、ベイト反応を探す。
「居た。良い反応がある」
海底から10メートルくらいのベイト柱が出てきた。
脇坂さんが、直ぐに仕掛けを落としていく。
ジグに真鰺がアタックしてくる。
40センチ超の真鰺は、イサキよりも強い引きを見せている。
ドラッグを、ゆるゆるに調整して、鰺の針はずれを防ぐ工夫をする。
針外れが少なくなって、釣果が延びてきた。
イサキも、型が少しずつ良くなってきた。
真鰺も、体高の有る良い型が、揃い始めた。
船を流す距離は、出来るだけ短くして、ベイトが移動する前に、何回か同じ処を攻めてみる。
ベイトが居なくなったら、その近辺を探して流す。
その繰り返しで、真鰺の釣果が少しずつ上がっていく。
納竿時間になる頃には、クーラーの中は真鰺で一杯になっていた。




























