開進丸
5月4日スタートは、真鰺41センチ
魚探に反応するベイトの正体を確認するべく、仕掛けを落としていく。
海底から30メートルほどの高さの、ベイト柱が出ている。
最初にヒットしたのは、真鰺。
右田さんの竿が、良い感じで曲がりを見せている。
その体長は、41センチ有った。
出足は、アヤメカサゴ混じりで、良型の真鰺がヒットしてくる。
「鰺が居れば、青物も付いているはず」
そう信じて、ジグをシャクリ続ける。
シャクリ続けていると、強いアタリが来た。
竿先を叩く、真鯛のアタリ。
海面に、ピンク色した魚体が浮かんできた。
68センチ、3.5キロの太った真鯛だ。
朝間詰めに良型の真鯛が来れば、後は青物が…と、欲が出てくる。
魚探のベイト反応は、ビックリするぐらいの高さだ。
又しても、右田さんにアタリが来た。
「真鯛にしては叩かないし、青物にしては走らないし…なんだろう」
海中に徐々に姿を現したのは、大きなアカヤガラ。
美味しい魚なのだが…、その体のヌルヌルが何とも言えない感触だ。
「美味しいですよ」
「私は、いらない」
近くにいる仲間の船に連絡して、プレゼントした。
アカヤガラが来る時は、潮の動きがイマイチの時が多い。
0.8ノット前後で動いていた潮が、0.2ノット前後に止まってしまった。
「ポイントを変えましょう」
ポイントを移動していく。
潮が、少しでも動いていそうなポイント。
チョット深場に行くと、上潮は0.6ノット前後で下り潮だが、下潮は1ノット以上で上っている。
釣りづらい2枚潮になっていた。
「浅場に戻りましょう」
ベイト反応を確認しながら、ポイントを変えていく。
アカヤガラがヒットして以来、アタリが出なくなっていた。
「午後からの、満ち潮に掛ける以外にない」
「ベイトの集まっているポイントを探そう」
そう覚悟して、ポイントを定める。
昼過ぎになって、北東の風がやや強く吹き始めた。
下り潮と風の向きが、同じになっている。
矢越さんにアタリが来た。
午前中の不調を取り戻すように、焦らずゆっくりとしたやり取りが綺麗だ。
「多分、真鯛です」
時折、ドラッグ音が鳴る。
「ドラッグは緩く調整しています」
矢越さん独特の、柔らかな竿裁きだ。
やがて、真鯛が見えてきた。
75センチ、4.6キロの見事な真鯛だ。
神経締めすると、体色の赤が綺麗なピンク色に変わる。
近くでは、仲間の船もアタリを捉えている。
ブリが上がったのが、こちらからも見える。
我々も頑張らなくてはと、気持ちが引き締まる。
矢越さんに、アタリが来た。
重量感のある引きを見せている。
3キロクラスのニベが、上がってきた。
右田さんに強いアタリが来た。
船尾でヒットして船首まで、獲物の走りに併せて移動する。
しかし、相手の強い突っ込みに、針が外れてしまった。
「口惜しいけれど、仕方ない」
直ぐに、気持ちを切り替える。
右田さんに、次のアタリが来た。
竿先を少し下げて、相手の力を削ぎ取る様な、ソフトにやり取り。
ゆっくりと、真鯛が浮いてきた。
67センチ、3.2キロの真鯛だ。
今日は、狙っていたブリは、上がらなかった。
しかし、仲間達の船では、ブリが上がっている。
楽しみは、もう少し続くと良いな、思っている。
「後は、潮次第かな」
真鯛の釣果に感謝して、帰港した。