開進丸
4月27日ガンゾウ祭り
港を出る時に、天気予報は再確認していた。
「北東の風が10メートルになっていますよ」
「夕べの天気予報から、変わったのですか」
「風が吹いてきたら、バタバタなるかな」
「朝間詰めに勝負しましょう」
塩田さん、右田さんと沖合のポイントを目指す。
朝間詰めは、海は穏やかな状態だ。
途中に、大きなベイトの固まりが出てきた。
潮は、ゆっくりとした下り潮。
なかなか、アタリが来ない。
2流しして、アタリが来ないと判断して、ポイントを移動する。
移動した先の、今日のベイト反応は、イマイチ。
ヒットしてくるのは、丸々としたエソ。
そんな中、塩田さんが上げたウッカリカサゴが綺麗だ。
「よし、今からだ」
と、思った時に、風が北東に変わった。
沖合から、風が海を渡ってくるのが見える。
海面にさざ波が立って、ドンドン近づいてくる。
上り潮の潮目も入ってきており、一気に海面が騒がしくなってきた。
沖合を見ると、白波も立っている。
ウネリも、ドンドン高くなってきた。
「場所を移動ししましょう」
急なウネリの高まりに、危険を感じて直ぐに移動する。
大島の内場に向けて、走り出した。
凄いウネリが、船の側面から打ち寄せてくる。
何度も白波の飛沫が、船の窓ガラスを叩く。
ウネリの方向と、高さに気を付けながら、ウネリに対して斜めに船が進むように舵を切る。
内場に入る。
風は強いが、ウネリはそんなに高くない。
「暫く、竿を出してみますか」
直ぐに、塩田さんにガンゾウヒラメがヒットした。
「今日は、ガンゾウも嬉しいですね。型の良いのは刺身が良いですよ」と、笑顔が出る。
右田さんにも、ガンゾウヒラメがヒット。
「私は、煮付けが良いですね」
塩田さんに、又してもガンゾウヒラメがヒット。
「大きなガンゾウは、5枚に下ろすと良いですよ」
釣りをしながらの、料理教室が開講だ。
「今日は、ガンゾウ祭りかな」
お二人の会話に、私も混ぜて頂く。
楽しく会話しながらも、ガンゾウヒラメのアタリは続く。
「最近、ホウボウを見ないですね」
右田さんが、こう話をされた。
すると、塩田さんにアタリが来て、ホウボウがヒットしてきた。
「凄いですね。話が聞こえたみたいですね」
一気に笑いが船上に広がった。
ガンゾウが連発する中、真鯛?を思わせるアタリも来た。
緩めにしてある、ドラッグからラインが引き出される。
2度、3度と走られる。
楽しみながら、巻き上げる途中で針が外れたり、針が切られたりした。
内場でも、此まで良型の真鯛は上がっている。
逃げた獲物は、諦める。
「次に楽しみましょう」
「今日は、楽しいガンゾウ祭りですね」
釣りを切り上げ、帰る道中も北東の風は強かった。