開進丸
4月7日出足好調、後半は…。
最近は、朝はべた凪ぎ、午後は南風が多い。
「今日は、風が出ないと良いですね」
これも、最近の挨拶代わりの言葉になっている。
立山さんと國武さんを乗せ、ポイントに向かう。
途中の浅場に、良い感じのベイトボールが出ている。
船を止めようかと、迷うほどのベイト反応だったが、船を走らせた。
ポイントに入ると、直ぐに釣り開始。
國武さん、立山さんにダブルヒット。
「出だしは、カサゴのダブルヒットですね」と、笑顔が出る。
「ここは、カサゴの溜まり場ですね」と、会話も弾む。
國武さんが着実に、アタリを捉えていく。
小鯛だが、喉奥に針が刺さっていたので、キープとした。
次のアタリも直ぐに来た。
「どうですか」
「重いですね。結構引きますよ」
良型のアオハタが上がってきた。
立山さんも、アタリを捉える。
「走りますね。鯖ですね」
竿先がブルブル震えながら、走り回っている。
丸々と太った鯖だ。
「よっしゃ、今からですよ」と、チョット気合いが入る。
ところが、風が南東に変わり、潮の動きが悪くなってきた。
「さっきまでは、上り潮が1ノット前後で動いていたのに、止まりましたね」
流れる速さが0.2ノット前後になって、急にアタリが出なくなった。
立山さんが、時折アタリを捉えるが直ぐに針が外れる。
潮行きが悪くなった分、食いも浅くなってきたようだ。
ベイトを探してポイントを変えるが、良い感じのアタリが出てこない。
そうこうしていると、風が南東から北東に変わってきた。
潮は、緩い上り潮のまま、風とぶつかる形になってきた。
こうなると、潮が緩いだけに船が動かなくなった。
そんな状況の中でも、立山さんも國武さんも諦めずに、竿を出し続ける。
時折アタルのは、大きなエソ。
求めているのは、エソではない。
好調な出足だったが、午後からは風の影響もあって大苦戦。
「出足は良かったけど、釣れない時も釣りは変化があって楽しいです」
國武さんの言葉に、少し気持ちが落ち着いてきた。
「次回、リベンジします」
口惜しい思いを胸に秘め、強い決意で帰港した。