開進丸
3月26日ベイトが増えた?
この時期、真鯛は浅場に入っている筈、と考えている。
その浅場を、魚探で見て回る。
至る所に、良い感じのベイトボールやベイト柱がある。
「ベイトが増えた?」
こんな気持ちになる、嬉しい反応が出ている。
しかし、潮が動かなければ、魚の動きも元気にならない。
そのベイト反応の中に、仕掛けを落としてみる。
上がってきたのは、大きな金フグだった。
Xさん、Zさんも「えっ…フグ…」と、チョットガッカリと言った表情。
東原さんのアタリは、ウッカリカサゴだった。
「フグよりは良いですね」
と、笑顔での釣りスタートになった。
朝の内は西風が吹いて、波も無くて凪ぎになっている。
海が凪ならば、ちょっと深場のポイントを攻めてみたくなる。
「深場に行きますか」
「はい、行きます」
気持ちよい返事を頂き、船首を真東に向ける。
沖に向かう途中に、潮の色が変わるところが有った。
「良い動きをしている潮なら良いけど」
ポイントに入り、直ぐに潮の流れを確認する。
1ノット前後で、上り潮が北東方向に流れている。
浅場は、下り潮だっただけに、期待が膨らむ。
Zさんに、ウッカリカサゴが来た。
ベイトが、海底にへばり付いている。
ポイントをもう少し、深場に異動してみた。
海底から、浮き上がったベイト反応が出てきた。
Zさんにアタリが来た。
東原さんにも、アタリが来た。
嬉しいダブルヒットになった。
Zさんのドラッグ音が響く。
「真鯛みたいですね」
「ゆっくり上げてくださいね」
水深がある分、ドキドキする時間も長い。
63センチ、2.5キロの真鯛。
「ちょっと、スマートかな」
第一弾のノッコミが終わっているのかも。
東原さんには、レンコダイが上がってきた。
Xさんにも、真鯛と思われるアタリが来たが、巻き上げる途中で針外れ。
「残念です」
東原さんにも、強いアタリが来た。
竿が、真下に突っ込んでいる。
走りを止めようと、ジッと溜めていたときに外れた。
「今のアタリは、強かった」
口惜しい針外れが、続いた。
気を釣り直した、仕掛けを入れる。
Xさんにアタリが来た。
「今度は、慎重に行きますよ」
「外れるなよ」
この気持ち、良く分かる。
良型のレンコダイが、上がってきた。
良い感じになってきた。
しかし、北西の風も強くなってきた。
潟方向からのウネリと、白波で船が揺れる。
風を避ける物が無い分、釣りが難しくなってきた。
少しでも風が避けられればと、浅場に移動する。
浅場でも、北西の強風は容赦無かった。
「諦めて、帰りましょう」
風に泣かされ続けている毎日は、変わらなかった。