3月16日風、止んだね

朝早い時間は、西風が強く吹いていた。

船の周りは、白波だらけになっている。

「今日は、釣りにならないかな」と、心配になってくる。

「時間経過と共に、風は弱くなって行くみたいですね」と、嬉しい情報が送られてくる。

朝間詰めの内は、風を避けて大島の島影近くに、入っていた。

島影での釣果は、荻窪さんに来たカサゴ。

しかし、強いアタリもあったが、ドラッグ調整している間に針が外れた。

9時過ぎになると、風が止んできた。

「風が止まりましたね」と、山下さん。

「風が止んだね。久し振りの風の無い時間になってきましたね」

この時を待っていたように、島影にいた船が沖合に出ていく。

私たちも、手前のポイントを確認しながら深場のポイントに船首を向ける。

沖合は、緩い上り潮が流れている。

魚探に出てくるベイト反応は、多くはない。

次に移動するポイントを考えていると「何か来ました」と、荻窪さん。

35センチクラスの、良型の真鰺がヒットしてきた。

「此くらいの真鰺がヒットすると、嬉しいですね」と、話が弾む。

山下さんにも、アタリが来た。

上がってきたのは、レンコダイだった。

しかし、アタリは単発で、次がなかなか続かない。

少し深場に行くと、下潮の動きが出てくる。

「下の流れが速いですね」

荻窪さんに真鯛のアタリが来る。

ラインが引き出されて行くが、途中で針が外れる。

「口惜しいな…」

何とか、真鯛を釣り上げたい物だが…。

ポイントを、浅場に移動する。

山下さんのジグにアタリが来るが、丸々としたエソに力が抜ける。

荻窪さんに、アタリが来た。

竿先を叩く、真鯛のアタリだ。

「このアタリは、真鯛ですよ」

「この引きは、緊張しますね」

緊張と、楽しみが混ざりながら、ラインを巻き上げていく。

真鯛が見えてきた。

1キロ超の良い真鯛が、上がってきた。

「初真鯛です。嬉しいです」と、荻窪さんの笑顔が良い。

この真鯛を締めにして、港に帰る。

アタリは、ポツポツとしか出なかったが、納竿前の真鯛で少し笑顔が戻った。

船着き場に帰ると、仲間の船も帰ってきた。

牛衛さんが、三人の若者を乗せている。

「どうでした」

「結構釣れました」

クーラーを見せて貰ったら、68センチの真鯛を頭に、アオハタやヨコワ等々が釣れていた。

神原さん、永田さん、早田さんがそれぞれの釣果を持って写真を一枚。

釣果を手にする若者三人の、爽やかな笑顔が良い。

「次は、釣りますよ」

私たちも、次の釣行エネルギーを貰った気がした。

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