開進丸
1月19日水温が下がった…
早朝の船着き場には、北西の風が吹いていた。
「ここで、これだけ吹けば、沖はもっと吹いているかな」
「10時過ぎには、風が落ちていく予報だったけど…」
「今日も、風に悩むかな…」
風をどう対処していくか、この季節の大きな課題だ。
北西の風を気にしながら、船を走らせる。
沖合に出るほどに、風が強く感じる。
「風速で6メートルくらいかな」
潟から沖に向かって、白波が立っている。
「白ウサギが跳ねてるね」
そんな表現をして、海上に吹く風を警戒する。
風の勢いに押されて、船は沖に流される。
「正確な潮の流れは掴みにくくなっていますが、上りの払い出しだと思います」
「1ノット前後で流れていますが、風が無ければこの半分かも知れませんね」
塩田さん、荻窪さん、蔵屋さんの釣りが始まる。
朝イチに出てきたベイト反応に、ジグを落としていく。
「下潮が絡んでいない気がします」
「ジグが抜けますね」
下潮の動きがイマイチ良くない状況は、今日も変わっていないようだ。
そんな中にも、塩田さんにアタリが来た。
上がってきたのは、アヤメカサゴ。
荻窪さんにもアタリが来た。
こちらも、アヤメカサゴ。
下潮の動きが、イマイチの中にまずまずのスタートかな。
だけども、潮の変化は始まっていたようだ。
朝の内は「ジグが暖かい感じてす」と、話をしていた。
しかし、下潮の水温が徐々に下がり始めていたようだ。
蔵屋さん、荻窪さんに真鯛と思われるアタリが来るが、針に乗ってこない。
「直ぐに外れますね」
「何か来ました」
荻窪さんが、アタリを捕らえる。
カイワリが上がってきた。
次の当たりも、荻窪さんに来た。
レンコダイが上がってきた。
ポツポツとアタリは来るが、なかなか本命とする真鯛が来ない。
船を流している内に、その場所に来るとアタリが出るポイントがある事に気が付いた。
船を戻して、その場所を通るように流していく。
蔵屋さんにアタリが来た。
狙い通りのアタリが来たことが、嬉しい。
「良い感じの引きです」
海中に目をやると、赤い魚が2匹上がってきた。
「レンコダイのダブルです」
良型のレンコダイが、ダブルで上がってきた。
動きの悪い潮の中から、蔵屋さんが釣り上げたレンコダイは嬉しかった。
しかし、運の悪い時って、こんな事なのだろうか。
塩田さんが鯛ラバの錘を手に「冷たいですね。水温が下がりましたね」と、言ってこられた。
錘を触ると、確かに冷たい。
「下潮の水温が、可成り下がっているみたいですね」
これが、食い渋り原因に成っているのだろうか。
それに加えて、風も南寄りに変わってきた。
風が南西に変わり、波が立ち始めた。
「風が変わりました。移動しましょうか」
海が時化状態になる前に、移動する事にした。
移動中にも南西の風が段々と、強くなってくる。
裸バエの近くまで来たら、風の勢いが少し静かになった。
魚探に反応が出てきた事もあり、帰る前の一流しする。
塩田さんにアタリが来た。
オオモンハタとオジサンのダブル。
帰港前のお土産が釣れた。