開進丸
11月14日大時化の海
先に船を出していた仲間から、連絡が来た。
「凄い波があります。今日は、掛かり釣りは止めます」
沖波止を回ってみると、凄いウネリが来ていた。
猪崎鼻の岩場には、大きな波飛沫が上がっていた。
裸バエから、前に出ることが出来なかった。
潟近くは、風を余り感じなかった。
しかし、沖合では相当の風が吹いているのかも知れない。
旧来の釣り友でもある金丸さんと相談して、内場に行くことにした。
内場に向かいながら、北西の風は吹いていた。
「北西が吹いているんだけれどな…」
天気図の高気圧が二つ並んでいることが、北風の原因なのだろうか。
内場に入ると、早い段階からベイト反応が出ていた。
野瀬の灯台近くに船を進め、ベイト反応の一番良さそうなところを探す。
この内場でも、カンパチは狙える。
全てはベイト次第と思って、魚探に目を凝らす。
ゴマを散らしたような、ベイト反応が出てきた。
「ここから、やりましよう」
金丸さんが、ジグからスタート。
この段階で、風が北西から真北に変わってきた。
今日、最初のアタリが来た。
肉厚のガンゾウヒラメが、ヒットしてきた。
「ジグをスローに変えたら、一発で来たよ」
取り敢えずは、お土産確保かな。
この後も、ポツポツだが何かしらのアタリは出る。
サゴシが来た。
ダブルヒットだったみたいで、針が一本切れていた。
朝から、内場の至る所でジャンプしていたのが、ヒットした様だ。
鋭いアワセに、針掛かりしてきたのは、イトヨリダイ。
「良い型のイトヨリだね」
血抜きをして、クーラーへ。
ベイトボールが出てきたと同時に、鯖がヒットしてきた。
「真鯖だね」
これも、取り敢えず血抜きをする。
青物が付いていそうな、ベイト反応を探すがなかなか出てこない。
築島方面から、大きな船が二隻近づいてきた。
海上自衛隊の掃海艇が来ている。
毎年恒例の、掃海訓練が始まっているのだろう。
仲間の船が近づいてきた。
「私は、帰ります」と、手を振っている。
北風が強さを増して、思ったような釣りにならない状況。
「私たちも帰ろうか」
「沖に出られる状況ではないしね。出直しやね」
風が出て、時化る前の「朝間詰め勝負」と思っていたが、出来なかった。
午前10時と早い時間ではあるが、納竿とした。