10月21日こんな筈では

朝日が海面に反射し、海が輝いて見える。

その光の中で、仲間の船が頑張っている。

貴重な朝間詰め、大物目指して頑張らなくちゃ。

予報に反して、北風が強く吹いている。

ウネリの高さが、一番高いところと、一番低いところでは4メートルは優に有りそうだ。

今日の潮は、綺麗な上り潮が北東に流れている。

その速さは、0.8ノット前後と釣りをするには丁度良い。

ベイト反応も、まずまずと言った感じで出ている。

「ウネリには、気を付けないといけないな」

船を操船しながら、気持ちを集中する。

近くにいる仲間に連絡すると「大きなアタリが来て、リーダーが切られた」と、言っている。

上り潮に乗せて、流していく。

時折、ウネリで船が揺れる。

そんな中、吉野さんにアタリが来た。

針掛かりした、大物の走りに竿先が海面に突き刺さりそうになる。

上がってきたのは、3キロクラスのハガツオ。

「やりましたね。良かったですね」

血抜きをして、クーラーへ。

蔵屋さんにもアタリが来た。

上がってきたのは、オオモンハタ。

関屋さんにもアタリが来た。

「どんな感じです」

「鯖ですね」

外道のエソも含め、ポツポツとアタリは続く。

しかし、北風に煽られるように、ウネリが益々高くなってきた。

「危険だから、内場に入ろうや」

釣果よりも、安全第一。

内場に移動する。

内場のベイト反応も、沖合のベイト反応を上回る。

ベイト柱が、何本も立っている。

蔵屋さんにアタリが来た。

ゆっくりと、魚の走りを楽しむように、ラインを巻き上げていく。

竿先を叩く感じから、ヒットしたのは真鯛のようだ。

綺麗な真鯛が上がってきた。

55センチの良型真鯛だ。

しかし、ここからアタリが出なくなる。

ベイトの中を探ると、時折、エソはヒットしてくるが…。

ベイト柱に付いているだろう、カンパチが欲しい。

なかなか、ヒットしてこない。

1時間くらい粘り続けたが、ポイントを移動することにした。

野瀬の近くに移動する。

移動して、直ぐに関屋さんにアタリが来た。

「竿先を叩きますね」

「真鯛と違うかな」

針掛かりした魚を想像しながら、巻き上げる。

上がってきたのは、イトヨリダイ。

二流し目には、吉野さんにアタリが来た。

「エソみたいですね」

そんな事を話しながら、巻き上げていく。

上がってきたのは、ガンゾウヒラメ。

「唐揚げにして、ポン酢が美味しいですよ」

関屋さんの、料理アドバイス。

「釣ったら食べる」が、釣りの基本かな。

この後、フグが出始めたので、最初のポイントに戻る。

ベイト柱を攻めて、上がってきたのはイラだった。

北風の強風と、高いウネリに「予報では、こんな筈では無かったのに…」と、苦戦した一日だった。