開進丸
10月15日凄いウネリ
水島の表側は、凄いウネリが打ち寄せていた。
低いところは、全部、波を被っていた。
時には、1瀬と2瀬の高場以外は、全部、波が越していた。
朝9時出発とゆっくり出たのだが、沖合で竿出しは今は無理と判断。
春口さんと、内場に入る。
ベイトを探そうと、船を大島灯台と野瀬の灯台の間に進める。
ベイト反応は、直ぐに出てきた。
「ベイトは海底から浮き上がって、蛇行しています」
何かが追い掛けているのかもしれない。
潮は昨日と違って、下り潮に変わっている。
風も北西の風が、丁度良いくらいに吹いている。
月曜日と言うこともあって、船は私ともう一席だけ。
「良いですよ」
春口さんが、ジグからスタート。
ゆっくりとしたスロージギングだ。
釣りを始めて、余り間を置かずにアタリが来た。
「良い感じで引いてますね」
「カンパチみたいですね」
「ゆっくりと楽しんでくださいね」
暫くすると、予想通りカンパチが上がってきた。
2キロ弱の良型カンパチだ。
「良いスタートになりましたね」
沖が高いウネリが出ていることもあり、不安な気持ちだったがこれで一安心。
船を戻して、二流し目に入る。
ベイトは、益々増えてきた感じだ。
「来ました」
春口さんに、アタリが来た。
「今度のアタリは、えらい竿を叩きますね」
「真鯛かもしれない」
「真鯛だと嬉しいですね」
楽しみながら、ラインを巻き上げていく。
姿を見せたのは、2キロクラスのニベ。
「真鯛かと思いましたね」
チョットだけ残念な気持ち。
この後、潮の動きが悪くなって、アタリが出なくなってきた。
沖を見ていると、波も風も殆ど収まり掛けている。
ウネリは、高いまま。
どうしようかと迷ったが「沖に出てみますか?」
「はい、行きます」
と、船を沖に向けて走らせる。
南東から来るウネリは、時には目線を越える。
小さな山を、船で乗り越えるみたいな気分だ。
沖合の水深70メートルあたりに出てみた。
ベイト反応は良いところと、イマイチの処とハッキリしている。
沖に来ると、風は北東になっている。
急な風の変化には気を付けなくちゃ。
春口さんがジグを落としていく。
最初の内は、ジグが沖に出て行っていたが、段々と潮が緩くなってきた。
「ジグは、100グラム程度の軽いモノで良いみたいですね」
ジグを軽いモノに変えて、瀬周りにいるベイトに向けて落としていく。
すると「来ました。来ましたよ」
アワセを入れると、猛烈な勢いで走り出した。
「止まりません。ラインが無くなる」
「慌てないで、ドラッグ調整して、巻いてみてください」
「止まらない…」
真下に突っ込んでいる事もあり、船が動かせない。
「どうすれば、止まりますかね」
「相手が目一杯逃げているときは、無理はしないことです。時間を掛けましょう」
「少し巻けるようになりました」
しかし、次の瞬間…。
「あっ…、反応が無くなった。外れた…?」
ジグだけが、上がってきた。
「あちゃ…外れた」
可成り頑張って、対抗していただけに「残念…」としか言えない。
この後、風が変わり始めたこともあり早めの沖上がりとした。
「悔しいですけど、次は取りましょう」
悔しい気持ちで帰ることの方が多いかも…。