9月13日凄いウネリ

今日の出港は、午前9時とゆっくりとしている。

港を出る時に、猪崎鼻の岩場に打ち上がる波飛沫が気になった。

「沖は、可成りウネリが有るみたいですね」

春口さんと、波の話をしながら船を走らせる。

大島の北側の岩場にも、波飛沫が上がっている。

「取り敢えず、内場に行きます」

内場に入り、大島の南側の岩場の波に驚いた。

ウネリとウネリの谷間に船が入ると、沖合に浮かぶ水島が見えなくなる。

かろうじて、1瀬の高場と2瀬の高場の天辺だけが見える。

真東の風に押され、南東からのウネリが太っている。

「表は、出られませんね」

沖は諦め、大島の灯台下アタリで、竿を出してみる。

アタリは直ぐに来た。

良い感じの曲がりを見せている。

良型のガンゾウヒラメだった。

「これで、少しずつアタリが出ると良いですね」

しかし、ここからが苦戦の始まりだった。

ベイト反応は、良い感じなのだがアタリが続かない。

近くにいる仲間も「当たるけど食い込まない」と、悩んでいる。

船を流すコースを少しずつ変えながら攻めていくが…。

アタリが出てこない。

水島を洗い流すような大波が、襲いかかっている。

野瀬の岩場も、凄いウネリが打ち上がっている。

この状況では、攻められるポイントは限られる。

「春口さん、凄い浅場ですけど、最近真鯛が釣れたポイントがあります。行ってみますか」

「行きます」

春口さんに話して、ポイントを移動する。

そのポイントには、掛かり釣りの船が2隻、碇を降ろしていた。

「あの船の離れたところを流しましょう」

水深17メートルと浅い。

しかし、アタリは直ぐに来た。

可成り強い引きを見せている。

「真鯛かな」と、思ってみていた。

上がってきたのは、タチウオ。

「指4本は有りそうですね」

キビレのタチウオだ。

「良型のタチウオが来て、嬉しいです」

今日のアタリは、少ないだけに嬉しいし、ホッとした。

でも、ここでも後が続かない。

厳しい条件の中の釣りに、見切りを付け「また、次回頑張りましょう」と、帰港した。