開進丸
9月11日出てみた
早朝の空は、ドンヨリとしていた。
沖波止を出るときに、寄せてくる波が気になった。
案の定、大島の北側を通るときには、北東の風が強く吹いていた。
「風があるな…」
やっぱり、一緒かとの思いだった。
北東の風に押されて白波が立ち、船が激しく上下動を繰り返す波になっていた。
沖には出られず、そのまま引き返す。
「内場に行きましょう」
蔵屋さんも状況は分かっているので、そのまま内場を目指す。
後から来ていた、大磯先輩も内場に急ぐ。
内場には既に、5,6隻の船が来ている。
野瀬の方に固まっているので、私は、大島寄りのポイントに入る。
当然のことだが、ここも北東の風が強い。
ウネリも高い。
高いウネリの中、蔵屋さんにアタリが来るが、途中で外れてしまう。
諦めずに攻めていると、アタリが来た。
「走らないので、鰺かと思った」
良型の鯖なのだが、余り走らなかったようだ。
写真ではなかなか分かり難いのだが、益々風が強くなってきた。
少しでも、風が避けられるところを流す。
すると、蔵屋さんに強いアタリが来た。
最初のアタリは、強い引きを味わった。
上がってきたのは、1.5キロのオオモンハタ。
「久し振りのハタや」
蔵屋さんも嬉しそうだ。
少しコースを替えて流すと、いきなりラインが走りドラッグ音が鳴った。
「来た、来ましたよ」
竿先を叩く感じからして、真鯛の期待が高まる。
しかし、途中からアタリが消えた。
ハリスが切れていた。
風が強く、厳しい状況ではあるが、悔しいハリス切れだ。
その後、アタリはポツポツと出る。
タチウオも来たが、指2本位なので直ぐに海に帰す。
昼近くになると、雨雲が増え始め沖合には、雨の柱も見え始めた。
「今日は引き上げましょうか」
昼前に帰港した。