9月1日朝間詰め勝負
台風を含む、色々な気象条件による天候の変化。

釣りにとって、天候条件はその日の釣りを大きく左右する。

最近は、南寄りの風に悩まされ続けている。

「朝間詰め勝負ですね」

「風が変わると思いますね」

早ければ、朝9時には港に帰るつもりで、ポイントを目指した。

「ベイト反応は、まずまず出ています」

潮は、緩い上り潮が北東に流れている。

塩田さんが、直ぐに釣り開始。

小さいアタリが来る。

上がってきたのは、沖カマス。

「塩焼きは美味しいですね」と、クーラーに納める。

2流しして、良い感じのアタリが出ない。

「ポイントを変えましょう」

古い魚礁の有るポイントへ移動する。

風が変わる前に、何とかして釣果を上げたい。

南西に変わり始めた風に、船が凪がされる。

上潮は0.6ノット前後と緩い流れだが、下潮は「ジグに重みを感じます」と、流れがやや速いようだ。

そんな中、塩田さんにアタリが来た。

ラインが出ていく。

「良い感じのドラッグ音がしてますね」

ドラッグ音を楽しみながら、ラインを巻き上げる。

64センチ、3.2キロの真鯛が上がってきた。

「初下ろしのモーティブに真鯛が花を添えましたね」と、ガッチリ握手で祝福する。

2匹目の真鯛も、直ぐに来た。

58センチ、2.1キロの真鯛。

「モーティブの両目が開きましたね」

「良い感じになりました」

上手くいった初下ろしに、笑顔になる。

次に来たアタリは、最近アタリが出始めたタチウオだった。

順調なアタリに、笑顔が増える。

しかし、南西の風が少しずつ強くなってきた。

山手には、怪しい雨雲が広がり始めている。

「山手に雨雲が出てきましたね。今の内にチョット移動しましょう」

天気が悪くなる前に、攻めたいポイントがある。

「塩田さん、ゆっくりと移動しますからトローリングしませんか」

「良いですね」と、直ぐに竿を準備。

船をゆっくりと走らせ始めて、直ぐにアタリが来た。

「来た。来たました」

塩田さんの竿が、気持ち良く曲がっている。

「跳ねません。シーラではないみたい」

仕掛けを巻き上げると、上がってきたのはヨコワだった。

「まずまずの型ですね」

トローリングの出足も、良い感じだ。

次のアタリも、余り間を置かずに来た。

「ペンペンです」と塩田さん。

シーラの狙いは、メーター超の大物。

その後も、スボタが来るなど、移動の間は楽しい時間だった。

次のポイントに入る頃には、山手の方で雨が降っているのが分かるようになっていた。

暫く竿を出してみたが、雨雲の進路が気になる。

「帰りましょうか」

「そうですね。天気が悪くなる前に帰りましょうか」

帰りは、南西の風に向かって船を走らせることになった。

途中からは、雷も鳴り始めた。

船着き場に帰り着いたときは、ホッとした気持ちになった。