開進丸
7月19日厳しいな…!
「来た!」
海中に引き込まれる位の強烈な力で、引っ張られる。
ラインも、一気に100メートル以上も走られる。
「前に行って!船で追いかけます!」
船尾から船首まで、魚の引きに耐えながら移動。
追い掛け始めて直ぐに「あっ!切られた…」
一方的に、やられてしまった感じ…「悔しい…」
14号リーダーが切れていた。
ポイントを変えて、瀬周りを攻めてみた。
すると「来た!来ました!」
ホール中のジグが止まり、合わせと同時に真下に強烈に突っ込んでいく。
「耐えてください!」
船で追い掛け始めても、真下に突っ込むスピードは落ちない。
「あっ…、やられた…」
PE3号が切れていた。
朝から、強烈に洗礼を受ける。
チョット、気持ちを切り替えて、再度ポイントを移動する。
鯖がポツポツとヒットしてくる。
35センチを超すような鰺も、ヒットして来る。
徐々に流れが速く成りつつもある。
下り潮が、2ノットを超すように成ってきた。
潮の色は、青みも透明感もある。
「悪い潮ではないですね。ベイトも海底から浮いたり、沈んだりしています」
「何かが居ると良いですね」
原さん、温水さん、横田(愛称徹君)さんがジグや鯛ラバも重さを調整して頑張っている。
「何か来ました」
温水さんにアタリが来た。
「また、鯖じゃない?」
「なんか違う気がする」
獲物が海面近くを横走りしている。
「鰹だ」
2キロ超の、良型の本鰹が上がってきた。
「やりましたね。良型ですね」
皆さんが、笑顔で祝福している。
「船長、沖にナブラが見えます」
「えっ、どこ?」
可成り沖に、白波が立っているのが見える。
その“ナブラ”目指して走り始めたら、正体が見えた。
「イルカだ」
直ぐに船をUターンする。
「場所を変えましょう」
べた凪の海を気持ちよく走りながら、少しでも潮が緩んでいそうな処を探す。
「ここなら何とか潮も緩そうですね」
釣りを再開して、直ぐに徹君にアタリが来た。
「小さいですね」
ガンゾウヒラメが上がってきた。
船を戻して、3度目の流しに入る。
再び、徹君にアタリが来た。
「真鯛みたいな感じだね」
「そうですね。竿先を叩くし、楽しみですね」
真鯛を期待して、巻き上げる。
「あっ、ニベだ」
上がってきたのは、2キロ超のニベだった。
「真鯛みたいなアタリしてたのに…」
直後に、原さんにもアタリが来た。
「何ですかね」
「何やろ、余り引きません」
上がってきたのは、1.5キロクラスの綺麗な真鯛。
「鯛ラバにニベで、ジグに真鯛が来ましたね」と、みんなで大笑い。
早朝に、厳しい洗礼を受けたが、最後はニベと真鯛での締めとなった。
「次は、もっと強い仕掛けできます」
リベンジの心は、燃える物があった。