6月28日 時化ないと良いね
早朝の船着き場は、南東の風が吹いていた。

「この時間に吹いているのか…」

ちょっと、辛いような、寂しいような気持ち。

「時化なければ良いね」

「今日は、朝イチから一発勝負でポイント直行するね」

「釣れると良いですね」

そんな会話で気持ちを盛り上げて、船を走らせる。

海上は、今週はずっと南よりの風が吹いていて、ウネリも南東から寄せている。

結構高いウネリが、寄せている。

しかし、潮色は良い。

潮行きが気になるところで、一流しごとにコースが変わることが多い。

また、下潮が速いことも多く、今日の状況が気になるところ。

今週、最もベイトが寄っていると思われる処に入る。

「良いよ。ベイト反応は出ているよ」

朝のうちは、南東の風も余り強くない。

「ジギングをやってみます」

Sさんが仕掛けを落としていく。

改めて海面に目を凝らすと、綺麗な青色が印象的に写る。

「何か思いと思ったら、カサゴでした」

今日の最初の釣果は、ウッカリカサゴ。

「味噌汁の出汁が取れますね」と、笑顔。

暫くすると、何かがヒット。

「余り引きませんね」

上がってきたのは、良型のカマスだった。

本命としている青物はヒットしてこない。

ジグをしゃくり続けているSさんにアタリが来た。

竿先が細かく震えている。

「鰹が来たね」

時折、強烈な走りも見せてくれる。

2キロ超の良型だ。

この時期の鰹は、美味しそうだ。

仲間の話では、可成りの浅場でもヒットしているようだ。

鰹が来て「今からだ」と思ったが、段々と南東の風が強まり、白波も立ち始めた。

「ポイントを移動しようか」

少しは、波静かに感じる浅場に移動する。

ここで最初にヒットしてきたのは、1メートル程のサメ。

「引きが強いから、何か大物と期待したのに…」と、Sさん。

気持ちを切り替えて、鯛ラバを引いてみる。

すると、アタリが出た。

「竿を叩くアタリが来たね」

「多分、真鯛ですね」

上がってきたのは、1キロクラスの綺麗な真鯛。

しっかり血抜きをして、クーラーへ。

その後も、南東の風を気にしながら竿を出すが、段々と強くなってきた。

「今日は帰りましょうか」

狙いの青物は不発に終わったが、美味しい鰹と真鯛を釣果に、帰港した。