６月２日　朝間詰め勝負
「何時くらいから、風が来るかな」

「多分、昨日と同じくらいの８時過ぎくらいかな」

今日は、兎に角、朝間詰め勝負。

朝間詰めの内に、どれだけの釣果を上げられるか。

釣りに絶対はないので、釣るかボーズかだ。

出航前の船着き場では、北西の風がやや強く吹いている。

準備をして、この風が吹いている間に竿を出したい。

塩田さんと、今日のポイントを決定して船着き場を離れる。

潮は、青味のある上り潮がゆっくりと沖に払い出している。

最初のポイントは、ベイト反応が少ないこともあり、直ぐに断念。

次のポイントへと、直ぐに移動する。

「塩田さん、此処はベイト反応が出てますよ。多分、ベイトは鰺子ですよ」

「なんか着いてると良いですね」

塩田さんがジギングからスタート。

海底から立ち上がっているベイトは、１０メートル以上の幅がある。

流し始めて、塩田さんの声がした。

「来た。来た。ヒット！」

いきなり、竿先が海面に突き刺さらんばかりに、強烈な引きが襲っている。

ドラッグ音もジジッーと、鳴り響いている。

「これは、青物ですね。凄い引きです」

塩田さんが必死に巻き上げている。

「見えました。鰤です」

丸々とした大きな鰤が見えてきた。

１０２センチ、９．６キロの丸々とした鰤。

タモ入れして、引き上げるときの重量感は「タモが壊れそう」と、思うくらいだ。

「やった、朝間詰め勝負に成果が出ました」と、笑顔だ。

計量した後、直ぐに神経締めをして腸を出し、エラを切って氷の中へ。

この時期の鰤には“虫”が着いている。

「少しでも、虫対策になれば良いですね」

夜に塩田さんから「捌いてみました。虫は、１０匹にも満たないくらい少なかったです」と嬉しい連絡が来た。

釣り上げた後の処理が終わって、直ぐに仕掛けを投入。

「また、来た」

「あれ、今度は余り引きません」

２キロクラスのニベだった。

順調にアタリが来ている。

３流し目には、真鯛と思われるアタリも来たが、惜しくも途中で針外れ。

「多分、真鯛やったと思うけど、残念」

しかし、３流し目が終わる頃風が変わった。

「北東の風に変わりましたね」

海面を北東方向から風が渡ってくるのが確認できる。

直ぐに波も立ち始めた。

暫くは、竿を出せたが、徐々に高くなってきた波にポイントを移動する。

水島方面にの移動する。

しかし、移動した先では「余り潮が動いていませんね」と、潮が変わった。

そんな中、ポツポツアタリが出る。

マトウダイ、ウッカリカサゴ、ガンゾウヒラメがヒットしてきた。

「マトウダイが来るときは、余り潮が動いてないときですよね」

ベイトは、そこそこ反応が出ているが、思うようなヒットが出ない。

「風も強くなって、表は白波だらけだし、今日は帰りましょうか」

「そうですね。沖にいる船も帰ってきましたね」

「今日は、鰤が釣れたし、楽しかったです」

鰤の強烈な引きの話を弾ませながら、帰港した。