開進丸
5月18日 風を避けて
南よりの風が強くなる。
この事を分かった上で、朝間詰め勝負。
ポイントを目指して走る海上は、早朝は凪だった。
「このまま昼過ぎまでは、穏やかであって欲しい」
そう願いながら、竿を出していく。
潮は青味が戻った上り潮。
0.8ノット前後で、北東方向に流れていく。
Mさんにアタリが来た。
「小さいアタリです。多分イサキですね」
凪の内に少しでも、釣果を得ていたい。
ゆっくりと上げてきた。
良型のイサキ。
出足良い釣果に、元気が増してくる。
今日は、本命の狙いは根魚。
「今度はハタが釣りたいですね」
ベイト反応のある海底付近を、丁寧に攻めていく。
アタリが来た。
アカハタが揚がってきた。
「今日の本命の一つですね」
しかし、満潮の潮止まりになってきた。
アタリが出なくなってきたが、ここは粘るしかない。
潮が動き出すまでの時間を、船を流す位置を少しずつずらしながら釣果を探っていく。
時間経過と共に、南よりの風が少しずつ強くなってきた。
アタリが出なくなったまま、南西の風が強くなってきた。
大島の内場に周り、大島よりの浅場で根魚を狙う。
仕掛けを遠投して、丹念に海底の岩場を狙っていく。
良型のアカハタが、ヒットしてきた。
「刺身が取れますね」
北方向に流れながら、色々なポイントを攻めていく。
色々な場所でアカハタがヒットしてくる。
その間、南西の風が益々強くなり、白波が立ち始めた。
根魚に的を絞り、攻めていきたい処も多々有るのだが、南西の風が強くて思うに任せない。
港内でも、白波が立つほどになってきた。
「今日は、帰りましょうか」
残念な思いを残して、昼過ぎに帰港した。