5月1日 なんじゃ…この潮…

天気予報では、午後からは雨模様になっている。

「どうか、釣りしている間、海が時化ません様に」と、朝日に手を合わせる。

沖に出てみると、風は殆ど吹いていないし、嬉しくなるくらいの凪の海だ。

Zさんがジグを、蔵屋さんが鯛ラバと思い思いの釣りをスタート。

 

潮は、緩い下り潮が沖に払い出している。

「流れは0.4ノット前後ですね」

「止まっているような感じですね」

ベイトは、色々な形で反応が出ている。

スタートして直ぐにアタリが来た。

Zさんのアタリも、蔵屋さんのアタリも良型のウッカリカサゴ。

 

「まずは一匹上がれば、気持ちはホッとしますね」

次に何が当たるか、期待する。

すると、蔵屋さんにアタリが来た。

「良い感じの引きですね」

真鯛の竿を叩くアタリ。

「結構強い引きですね」

楽しみながら、巻き上げていく。

54センチ、2キロクラスの良型真鯛。

Zさんにアタリが来た。

「バタバタ竿を叩きますね」

「真鯛だと良いけど…」

上がってきたのは、良型のガンゾウヒラメ。

「肉厚のあるガンゾウヒラメですね」

「そうですね。結構美味しいですよ」と、ホッとした表情。

しかし、昨日のように此処から潮に苦戦、苦労が始まる。

昨日も思ったけど、潮の動きが急に止まる気がする。

それと同時に、した潮の水温が急に下がる気もする。

Zさんが「ジグが冷てー」と、巻き上げたジグの感触を教えて頂く。

また、お二人共に「した潮が抜けますね」と、動きが悪い情報も教えていただく。

直ぐに、予測をたててポイント移動。

沖目、近場と何カ所か回ってみる。

「あれ…。ここは、潮が上っていますね」

水深で言えば、60メートル付近を境に沖は上り潮、潟方面は下り潮と流れが違う。

しかも、沖目の上り潮は、上潮も下潮も流れが速い。

「潮が、2.0ノット前後で流れ始めました。着底は取れますか」

「何とか取れます」

そんな中、ベイト柱が有るところを中心に流していくと、アタリが出始めた。

「何か来ました」と蔵屋さん。

良型の真鰺が当たってきた。

1匹目より2匹目と、徐々に型が良くなっていく。

Zさんにもアタリが来た。

小型の真鯛が上がってきた。

「小さくても真鯛です」と、笑顔だ。

Zさんには、又してもガンゾウヒラメもヒットしてきた。

「調子が出てきたかな」と思ったが、流れが益々速くなってきた。

「浅いところに行きましょう」

しかし、浅場は沖から入ってきた潮で、渦を巻いている。

「何じゃ…この潮は…」

船を止めると、船が回転して釣りに成らない。

エンジンの力で、姿勢をキープする。

すると、Zさんに強烈なアタリが来た。

ラインがどんどん出ていく。

やり取りが始まって、その正体に気が付く。

「サメかもしれない…」

予想通り、上がってきたのは1メーター超のサメだった。

チョット力が抜けた。

この頃から、雨も降り始めた。

「今日は、時化る前に帰りましょうか」

気が付くと、周りには船は居なかった。