4月28日 最高の出だし
釣りを開始して、直ぐに真鯛のアタリ。

出足としては、最高の一日の始まりとなった。

潮は、緩い下り潮が、0.5ノット前後で南に流れている。

魚探に表示される航跡を見ながら、潮の流れを確認していた。

「来た。来ました」

船中に声が響いた。

船首で竿を出している、矢越さんの竿が綺麗な弧を描いている。

「良い感じの引きですね」

「何か、変な感じの引き具合ですね」

ゆっくりと巻き上げていくと、ピンク色の魚体が浮いてきた。

63センチ、2.4キロの綺麗な雌の真鯛。

矢越さんが「変な引き具合」と言っていたのは、針が真鯛の腹に掛かっていたからだった。

矢越さんの2匹目も、直ぐに来た。

「来た!又来ました」

朝日に輝く海面に、矢越さんの釣りのシルエットが映える気がする。

61センチ、2.2キロのこれも良型雌の真鯛。

「綺麗な真鯛ですね」

右田さんが、矢越さんを祝福。

塩田さんも「絶好調!」と祝福。

船中が早朝から楽しい雰囲気に満ちている。

その右田さんに、アタリが来た。

これも、良い引きをしている。

「楽しいやり取りタイムですね」

「結構引きますね」と、笑顔の右田さん。

重量感のある引きを見せる獲物が、なかなか浮いてこない。

やがて海中に姿を見せた真鯛が、空気を吐き出している。

64センチ、2.8キロの良型の雌の真鯛。

「これは、良い型の真鯛ですね」

3キロが少し切れたけど、丸々とした魚体が綺麗だ。

「私の、真鯛が釣りたい」

頑張っている塩田さんにアタリが来た。

良型のウッカリカサゴが上がってきた。

「これは大きなウッカリですね」

「良い型のカサゴやった」と、塩田さんも嬉しそう。

船首で竿を出している矢越さんが、切れの良いアワセを入れた。

ラインが音を立てて引き出される。

「これは、良い型だよ」

右田さん、塩田さんが固唾をのんで見守っている。

ラインを巻き取っては、引き出される。

ゆっくりと時間を掛けて、獲物を浮かす。

「これは大きい」

海面に姿を見せた大きな真鯛。

「79センチ、4.4キロです。尾びれが切れていなければ、80オーバーだったのに」

私も矢越さんも、右田さんも、塩田さんもみんな「残念…」と、口惜しい気持ち。

「まだアタリが続くかな」と思ったが、急に静になった。

「潮が止まった感じですね」

「下潮が冷たくなった気がします」

急激な潮の変化に、アタリが出なくなった。

ポイントを少しずつ変えながら、移動していく。

塩田さんにアタリが来た。

「良い感じの引きやど」

重量感のある良い感じの引きだ。

やがて姿を見せたのは、大きなアカヤガラ。

2メートルは超えている。

胴回りも太くて、重たい。

同型のアカヤガラが、続けてきた。

「アカヤガラが来たと言うことは、潮が動いていないかな」

釣果は美味しいアカヤガラなので嬉しいが、潮の動きが変化したのはチョット寂しい。

次に移動したポイントで、塩田さんに強いアタリが来た。

「ラインが出ますね」

「真鯛みたいな引きですけど、期待したいですね」

ゆっくりと巻き上げると、白い魚体が見えてきた。

「あっニベだ」

5キロ超の良型のニベ。

「しゃぶしゃぶにすると、美味しいですよ」

「釣ったら食べる」釣果の食談義に花が咲く。

沖から、良い感じの潮目も入ってきた。

青々した良い潮色だが、ヒットしてくるのはエソが増えてきた。

塩田さんにイトヨリが来た。

しかし、後に続くアタリが出なくなった。

大物を求めて、竿を降り続けて頂いたが、急激な潮の変化には勝てなかった。

素晴らしい出足から最後まで頑張っていただいた塩田さん、右田さん、矢越さんと、船中賑やかな釣り談義で帰港した。