3月29日 親子で楽しく釣行
この季節は、子供が成長していく季節でもある。

大学進学、社会人としての就職と進む道はそれぞれ。

塩田さん親子も、息子さんの大学進学が決定し、親子で釣行。

「大学合格、おめでとう。今日は、釣れると良いね」

「有り難うございます。頑張ります」

塩田さんの息子さん、寛明さんの笑顔が爽やかだ。

しかし、今日の海は、状況が一変していた。

潮が下り潮に変わり、底潮は水温が下がって、鯛ラバの鉛が冷たい。

魚探には、ベイト反応は出ているのだが、その出方が少し変だ。

東西南北、どの方向に走っても海底から5メートルくらい上に、幅5メートル位で映し出されている。

「このベイト反応は何やちゃろうか」

「本来のベイト反応の出方じゃ無いですよね」

潮も殆ど動かず、水温は冷たい。

出足から苦戦が続く、嫌な流れに成ってきた。

「ポイントを変えましょう。どうにかしなくちゃですね」

魚探に映し出されるベイト反応の変化を見ながら、ポイントを探す。

「浅場を探してみましょう」

潮色は、菜っぱ色した下り潮。

どうにかベイトボールが出てくるポイントを、見つけだす。

「ここで頑張って見ましょう」

1時間経ってもアタリがこない。

「どうしたモンだろう…」

海を眺めて考えていたところで、塩田さんにアタリが来た。

いきなりのアタリで、ラインが出ていく。

「青物ですかね」

「そうだと良いですね」

上がってきたのは、2キロ超のオオモンハタ。

「この大きさは久し振りに見る気がしますね」

「ホントに久し振りの大きさですね」

オオモンハタが来て、少しはホッとした気持ちになる。

寛明さんにもアタリが来た。

ガンゾウヒラメが上がってきた。

「何とか1匹上がって、ホッとしたね」

塩田さんも息子さんの仕掛けを潮の変化に併せて、随時、作り替えていらっしゃる。

「ガンバレよ」励ましの声かけも優しいお父さんだ。

優しいお父さんに、アタリが来た。

「竿先を叩きますね」

「きっと、真鯛だと思います」

56センチの綺麗な雌の真鯛。

寛明さんの大学進学を、祝福しているかの様だ。

この後、寛明さんがガンゾウヒラメをもう一匹追加。

出足は「どうなることか」と、大いに心配した。

桜咲く、祝い真鯛を手にして帰港した。