開進丸
11月12日 内場に集合だね
昨日からの、大ウネリが残っていた。
港を出て、裸バエの近くまで行くと、沖からの高いウネリが入ってくる。
「これ、表は無理ですね」
「無理は止めましょう。内場に行きましょう」
大島の北側の岩場にも、大きな白波が立っている。
久家さんとウネリの高い様子を見て、直ぐに内場直行。
一度は沖に出かけた他の船も、内場に全員集合の形になった。
野瀬の灯台回りには、ざっと見回しただけでも10隻以上の船が居る。
内場にいる船だけでも、30隻以上の船が居る。
日曜日と言うこともあり、油津や目井津等から次々と船が来る。
「やっぱり、天気は良いし、海に出たいわな」
沖合にいたはずの、漁船も内場に来ている。
そんな中で、他の船を避けて、釣り場を探す。
「普段はエソが多いけど、ちょっとここでやってみましょう」
久家さんが内場の西側で竿を出す。
すると、一流し目からアタリが来た。
「ガンゾウヒラメですね。私は、煮付けが過ぎです」
このガンゾウヒラメのアタリが皮切りとなり、次々とアタリが来る。
イトヨリダイにホーボーと来て、1キロ超の真鯛もヒット。
「真鯛が来ましたね」
半分は諦め掛けていた、真鯛の釣果に嬉しくなる。
しかし、それまで真北の風が吹いていたのが、北東の風に変わった。
強い北東の風に、内場で白波が立っている。
「場所を東側に移動しよう」
大島側に移動する。
他の船も移動してきて、5隻の船が集まった。
「他の船の邪魔にならないところを流します」
いつもは、一つテンヤの久家さんだが、ここからは鯛ラバに切り替えて行く。
すると、塩焼きサイズの真鯛が最初に来て、良型のイトヨリ鯛が続けてヒットする。
一流し毎に、真鯛やイトヨリダイ等がヒットしてくる。
沖が時化て出られない時は、魚も内場に避難してくるのかな。
塩焼きサイズから1キロ超の真鯛が7枚ほどヒット、イトヨリダイも同数ヒットしてきた。
「沖に出られないけど、釣果があると楽しいですね」
ほぼ一流しに数回のアタリがある。
中には、ドラッグ音が鳴り、ラインを引き出していくアタリもある。
慎重にやり取りしていると、竿先を叩くようにして暴れて針が外れるケースも有った。
「口惜しいね。今のは良い型やったね」
「真鯛でしょうね」
「そうだと思うよ。また、ヒットしてくるよ」
そんな話をしていると、又アタリが来た。
ドラッグ音が鳴り、ラインが出る。
「良い型だと思うよ。ゆっくりで良いよ」
慎重にラインを巻き取り、真鯛が姿を見せた。
1.5キロ位有りそうな真鯛だ。
「良かった。良い型が釣れました」
久家さんの笑顔に、私も嬉しくなる。
「今日は、充分楽しませてもらいました」
クーラーに充分な釣果を納めて、北東の風に向かって帰港した。