11月10日 出足は時化気味、やがて凪に

朝日が水平線に顔を出した頃、「やりましょうか」と、釣り開始。

金丸さん、小河さん、立喰さんが思い思いに竿を出す。

小河さんは、今日が初ジギング。

「何か当たると良いですね」

慣れない手つきで、元気にジグをしゃくる。

海は、昨日からの高いウネリが残っている。

時折、大きなウネリが寄せてきては、船を揺らしていく。

そんな中、金丸さんにアタリが来た。

「何のごつある?」

「真鯛かな。青物ではない気がする」

上がってきたのは、3キロクラスのニベだった。

「ニベか。真鯛かと思ったけどね」と、ちょっと残念そう。

その横で、小河さんにもアタリが来ている。

「結構引きますね。青物だと良いですね」

揺れる船の上で、慎重にラインを巻き上げていく。

上がってきたのは、2キロ超の良型ハガツオ。

「始めて釣り上げました。楽しいですね」と、笑顔。

小河さんに続けてアタリが来た。

「ビギナーズラックですね」と、笑顔で魚とのやり取りを楽しむ。

上がってきたのは、タチウオ。

「指3本クラスかな」

金丸さんにも、アタリが来て、タチウオが上がってきた。

指4本近くありそうだ。

お腹が膨らんでいる。

卵が入っているのかな。

でも、どうしたことか、急にアタリが出なくなった。

「何か変やね…」

「場所を変えてみようか」

ポイントを移動すると、金丸さんにアタリが来た。

上がってきたのは、30センチ弱の真鰺。

「鰺がいれば、もっと当たっても良いと思うけどね」

急にアタリが出なくなった事に「なんでやろかい」と、?だらけ。

もう一度、ポイントを移動してベイトを探す。

「瀬の上にベイトが立っています。チャンスかもしれません」

すると、小河さんにアタリ。

「着底と、同時くらいに当たった」

上がってきたのは、50センチクラスのサゴシ。

この前に沖サワラと思われるアタリがあったが、巧く針掛かりせずに逃がしている事もあり、ホッと一安心。

海底付近で、二層になっているベイトを攻めていた金丸さんにアタリ。

「来た。あれ?外れた…いや、付いているけど引かない」

首を傾げながら、ラインを巻き上げている。

針掛かりした獲物が、海面に向かって上がっているようだ。

「あっ、見えた。ハガツオ?違う、スマガツオだ」

丸々と太った、2キロ超のスマガツオだ。

「これ美味しいよ。ヤッキリが良いね。薬味を一杯乗せて食べたいね」と、既に食べる準備。

しっかりと、血抜きをしてクーラーに納める。

ここで立喰さんにアタリが来た。

出足はジグに絡むアタリがある物の、なかなか針掛かりせずに我慢の時間が長かった。

上がってきたのはアカヤガラ。

「大きいね。これは美味しいよ」と、金丸さんが立喰さんに話しかけている。

立喰さんに、次のアタリが直ぐに来た。

「横に走るな」と、思っていたら鯖だった。

魚探にも、鯖と思われる魚影が沢山映し出されている。

「もう一カ所行こうか」

暫く船を走らせて、ポイントを移動する。

沈み瀬の上にベイトが居る。

そのベイトの上に、ゴマを散らしたようなベイト反応がある。

「来ました。走ります」

立喰さんに強い引きを見せるアタリが来た。

「青物だと思います」

「見えました。おっ、ヨコワです」

1キロ超の良型のヨコワが上がってきた。

「ヨコワって?」

「クロマグロの子供です」

「おおっ、それは美味しそうだ」と笑顔。

「結局、今日は何目釣れた?」

「ニベに始まって、締めがヨコワで10目かな」

「楽しかったね」と、釣果話に花が咲いた。

船上は楽しい会話が弾む中、帰港した。