11月2日 粘りに粘って

今日も、水平線から上がってくるお日様が綺麗だ。

改めて、釣りは本当に難しいと、感じた一日でもあった。

今日の潮は、緩い上り潮が流れていた。

しかし、いつもはベイトが溜まっていると思っていたポイントに、溜まっていない。

揺るい上り潮に乗せて、船を流すがアタリが出ない。

近くにいる大磯先輩も「何んも当たらん」と、苦戦している様子。

そんな中、最初のアタリは西村さんに来た。

上がってきたのは、大きなアカヤガラ。

潮の動きが悪いときに、当たることが多いアカヤガラだ。

脇坂さんには、ウッカリカサゴがヒットしてきた。

しかし、その後は、又しても沈黙の時間が過ぎる。

どこをどう流してみても、アタリが出ない。

「もうすぐ干潮の潮止まりになります。思い切って、ポイントを変えて、入ってくる満ち潮に掛けましょう」

潮が止まっている間に、船を走らせる。

海上は、風も余り強くなく、快調に船を走らせる。

ポイントに入ると、直ぐにベイトを確認する。

「薄いけれど、立ち上がりのベイトの反応が出ています。やりましょう」

すると、一投目からダブルのアタリ。

上がってきたのはエソのダブル。

「えーっ、此処でもエソが来る…」

でも、西村さんも脇坂さんも「ジグに何かが絡んでくる」と、何かの気配は感じている。

ジグを付け替えて、改めてベイトの中に攻めていく。

すると、脇坂さんにアタリが来た。

今までの、アタリとは明らかに違う強いアタリだ。

上がってきたのは、2キロ超の良型のカンパチ。

「居たね。ジグに反応しているからまだ居ると思う」

一気に元気が出た。

脇坂さんに次の当たりも、直ぐに来た。

隣では、西村さんの「あっ、外れた」と、声がした。

こちらの竿の曲がりも良かったことから、脇坂さんと同じ魚かもしれない。

脇坂さんが釣り上げたのは、2キロ超のハガツオ。

「これで、地区の飲み会の刺身が出来た」と、笑顔。

粘り続けていたお二人に、チャンスが来た。

西村さんにも、アタリが来た。

「重いです。余り走らない」

上がってきたのは、大きなアカヤガラ。

「アカヤガラか…」と、ちょっと残念そうだ。

一投毎に、何かがジグに絡んでいる。

青物のアタリも出ているのだが、途中で針はずれが続いている。

「下潮が行き始めたので、ちょっとジグを重たくします」

下潮が良い感じで、動き出したようだ。

しかし、風の向きが緩い北東風から、やや強い南西の風に変わってきた。

南からの波が、徐々に高くなり始めた。

「今から、夕間詰めに掛けて、良い感じだったのに…」

風の変化が恨めしい。

船の揺れも段々と大きくなってきた。

「残念ですけど、帰りましょう」

少し、後ろ髪を引かれる思いで帰港した。