アオリイカ胴長45センチ 全長105センチ 3120グラム!!【角田裕介氏連載記事浮きアオリイカ釣り 第6弾】
アオリイカの大きな個体=レッドモンスターへの期待で気合いが入る3月、串本の地磯へ!
アオリイカの浮き釣り釣行記、今回、第6回目。
浮きアオリイカ釣りのツノダです。
前回より、大きな個体が期待できる3月(黒潮の接岸でレッドモンスターが岸から狙える最大のチャンス月である。)の釣行のため、気合が入る。
同行者は、浮きアオリイカ釣りデビューのコザ君。当日、風裏の和歌山県串本町の地磯に向かいます。
南紀では、桜が満開、風で花びらが散る風景が目にとまり、今日は、アカンかな~っと嫌なイメージがよぎる。
例年、桜が咲くころ、海水温が下がり、釣り師の間では、花冷えのときは魚の活性が下がると良く口にする。経験上、アオリイカの活性が下がる。
せっかくの釣行なので、嫌なイメージより楽しめるイメージに切り替え、デカイカとのやり取りシーンを期待し、釣り場に荷物を運ぶ。
今回の地合は、潮が下がりだす、18時から干潮潮止まり前の21時40分。特に、干潮前の20時頃がデカイカの狙いどころ。
コザ君と、デカイカがいつ現れるかを期待し、興奮して待っていると、コザ君の浮きが海面に消える。コザ君は、力いっぱい合わせる。乗りました。とクールに語るコザ君。コザ君は、デビュー戦で、いきなり、1400グラムのナイスサイズのアオリイカをクールに釣りあげる。
初めてでナイスサイズのアオリイカを釣ったコザ君。普段クールな性格が、手にしたアオリイカと、やり取りの面白さの残像で、興奮している。
私も、コザ君に続きたいところであったが、ウツボの当たりが連発。
釣り場での内臓処理と自宅での骨とりさえすれば、最高の食材で、から揚げや、鍋にすると、娘たちが大喜びのため、難敵のウツボと闘う(生命力が強く動きまくり、解体が難しい)。
この日の私は、600グラムと800グラムの2杯のアオリイカが釣れただけでサイズが上がらなかった。
やはり、花冷えが影響する結果となったが、コザ君の初めてで、1400グラムのアオリイカは立派である。浮きアオリイカ釣りのポテンシャルの高さを改めて実感。
アオリイカ浮き釣り周参見の地磯で狙い通りのデカイカ登場!まさかのフックオフ・・・
アオリイカ浮き釣り初めてで1400gを同行の友人がキャッチした前回の投稿。
続いて、釣り友の鈴木さんと、レッドモンスターを狙って、和歌山県 周参見町の地磯に向かう。
昔から、この3月、デカイカが出るのは周参見周辺と言われている。
串本~熊野に住まれているイカ釣り師が、自宅近くでアオリイカを容易に狙えるのに、わざわざ、周参見周辺に向かうほどだ。
波の穏やかな浅場の場所に私が、沖からの波と、磯からのサラシのぶつかった深場の複雑な場所に鈴木さんが、それぞれ釣り座を設定。
傾向的に、私のような場所は、当たりが少ないがデカイカが出やすく、鈴木さんのような場合は、当たりが多くアオリイカの数が出やすい。
当日、21時21分が満潮となり、潮が上がる19時から21時が時合となる。
19時、これまで浮きが着水後、左、左へと流れていたのが、ピタリと動かない状態を示す。何かが起こると浮きを凝視していると、次の瞬間、浮きがスパッと海中に消し込む。糸ふけをとると、竿先が海中にグーっと曲がりアオリイカ独特のジワーっとした重みを竿から感じる。
竿先を海面につけた状況から自身後方へと、大きく力いっぱい合わせる。竿先が曲がり、心地よいアオリイカのジェット噴射が開始される。ジェット噴射を楽しみながら、慎重にアオリイカを寄せて、1100グラムのアオリイカを釣りあげる。
20時、着水後、浅場へ浅場へ(手前)と浮きが不自然に移動する。これ以上、手前に動くと根掛かりの恐れがある。足元から5メートル。そろそろ仕掛けを回収して、キャストしなおそうと竿に手をかけた瞬間、浮きが右に傾きながら、手前でなく、右へと動き出す。もしかしてと思い、糸ふけをとると、根掛かりを思わす、とんでもない重みを感じたため、渾身の合わせを入れる。重い❗❗恐ろしいパワーのジェット噴射が開始される。(狙い通りのデカイカの登場!!)興奮の絶頂だ。
自分からアオリイカまでの距離が5メートルしかなく、真上に竿を立てると角度がありすぎフックオフの恐れがあるため、竿を手にした左手を前方に出し斜め45度の角度で、アオリイカのジェット噴射を受ける。竿を立てすぎるとフックオフ、寝かせすぎると、竿の弾力が活かせずアオリイカに潜られ、シモリでラインブレークの恐れがある。
竿を持つ左手は悲鳴をあげる。これまで自分が体験したアオリイカのやり取りで、最も重みを感じる。足元でヒットしたのに、なかなか寄せられない。強烈なアオリイカのジェット噴射は、50回以上。なかなかアオリイカの姿を確認できない。なんとか耐え、水面に浮かせる。アオリイカの姿を確認すると、胴が恐ろしいほど長い。これほどの長さのアオリイカは初めてだ。
アオリイカを水面に浮かせると、イカ針が足1本にかかっているのが分かる。なおさら、竿の角度に気を付けないと、フックオフの恐れがある。
浮かせても、何度もアオリイカのジェット噴射で抵抗し足元まで寄せられない。焦らず、ゆっくり寄せて、自分の足元の位置で、水中でアオリイカが縦向きの姿で、アオリイカの口が海面から出るぐらいで動きをとめ、鈴木さんにタモ入れをお願いする。水中にある胴が予想以上に長く、3度タモ入れ失敗。再度、アオリイカがジェット噴射で潜り出す。
タモ入れを失敗した鈴木さんが冷静さを失いかけていたため、「またアオリの動きを止めますので、無理にタモ入れないでください。」と声をかける。再度、アオリイカのジェット噴射に耐え、足元までアオリイカを寄せ出す。そのとき、鈴木さんが、タモを入れる。危ないタイミングと感じたため、「待ってください。」と言おうとした瞬間、アオリイカが潜り、タモを手前からアオリイカを追いかける形になったため、タモとイカ針が絡まり、その弾みでアオリイカがフックオフ。
あ・・・・・それ以上の言葉が出ない。
腰が抜ける。立てない。
鈴木さんからは、「すいません。」と声をかけてもらうが、鈴木さんにまったく責任はなく、自らタモ入れできず、さらに、アオリイカの動きを完全に止められなかった自分を悔やみ、ギャフを準備しなかった備えの足りなさを悔いる。
ただ、デカさ、長さ、パワー、全てにおいて、今までの最高値であった。
デカイカらしい、一瞬の当たりで、とてつもないアジのかじられ方であった。
その後、気持ちが切り替えられない状況のなか、ウツボが釣れ、撤収とした。
アオリイカ3120グラム!! リベンジの再釣行で胴長45センチのデカイカをキャッチ
アオリイカを逃してしまってから数日間、あのイカの姿が頭に、パワーが手に残り、情緒不安定に。
そして、再度、鈴木さんと和歌山県 周参見町の地磯に向かう。
あのイカが忘れられない。
車中、鈴木さんと、タモ入れについて話あう。
お互いタモを入れ合うときは、
1 アオリイカが水面に平行な、プカプカと浮いているときは、足元まで寄せ、釣っている側が良いというタイミングで、アオリイカの足側からでなく胴の先側(足と反対側)からタモを入れる。
2 アオリイカが水中に縦向きであれば、完全に寄せきり、アオリイカの口が海面から出るぐらいの位置で動きが止まってから、釣っている側が良いというタイミングで余裕を持ってアオリイカより深い位置から、タモを入れる。タモは手前からでなく、アオリイカの後方からアオリイカに近づける。
3 アオリイカが水中に斜めの状態ではタモを入れない。
など、再度、お互い確認しあう。
周参見町の地磯に到着すると、北西風爆風で風が舞い込み、ウネリがある波高で、釣りが楽しめる状況でないため、風と波が裏側となり、凪が予想できる、串本町の地磯に向かう。
当日、潮が大きく下がる18時から20時30分が狙い目である。
例年、数釣りは串本。デカイカは周参見と言われている。これは、黒潮の流れが、串本より、周参見に当たるためである。当日も、周参見に黒潮の上がり潮が当たり、串本には、その周参見からの下り潮が当たっていたため、串本での釣りは、サイズより数釣りとなる。
それでも、デカイカを完全に諦めきれず、私は、ワンド奥の浅場ポイント(デカイカ狙い)で、鈴木さんは、沖からの波と磯からのサラシがぶつかりあう潮が複雑な深場ポイント(数釣り狙い)で、それぞれ釣り座を設定する。
追い風にのせ、約40メートル フルキャストすると、着水した浮きが、手前、手前へと移動して、3分~5分で自分の足元に戻ってくる。
一方、鈴木さんは、約40メートル フルキャストして着水した浮きが、沖からの波と磯からのサラシに挟まれ、その位置から、動かない。
18時から鈴木さんの浮きは、連続して当たりを示す。6度の当たりで4杯。私は、打ち合わせどおりタモ入れを成功。タモ入れの打ち合わせのおかげで、今まで以上に、お互いの息が合い、スムーズなタモ入れができた。
私の釣り座は、キャスト→着水→足元まで流れ→キャストを5分サイクルで繰り返し、体力、気力を失いつつある。ようやく、19時半頃に、私の浮きが海中に消える。糸ふけをとり、力いっぱい合わせるとドシリとした重みを感じるも、まったく引かない。ただ、めちゃくちゃ重たい。もしや、3釣行連続?
姿を見せたのは、ウツボドラゴン。重たいはずである。ウツボのドラゴン級であった。
これで、気力を失う。キャストを繰り返して体力を失っていたところでのウツボだ。
鈴木さんがアオリイカ4杯を釣れ喜ばれている姿と娘のリクエストのウツボ(しかもドラゴン級)が釣れたことで満足してしまった。しかも、ウツボを美味しく食べるためには、すぐに、内臓処理をする必要がある。竿を出すのをいったんストップし、ウツボを解体する。解体に、約30分。時間は、20時15分。あと、15分で干潮潮止まり。
竿を納めようと思っていたが、餌のアジも残っているので、最後の15分、干潮潮止まりまで闘うことにする。
元気なアジを仕掛けに取り付け、再びフルキャスト。依然として、5分かからずに、足元に戻ってくる。ここまで、手前潮が続くと正直めげる。再度、フルキャスト。着水した浮きが、手前に5メートル動いたあと、沖向きに移動しはじめる。もしかして??
手前でなく、逆向きへの移動のため、なんか起こると浮きを凝視。次の瞬間、海中約1メートルの位置に浮きが沈み、海面をボワーンと照らしている。居食いだ。デカイカ特有の補食のため、興奮しながら糸ふけをとると、根掛かりを思わすほどの重さを感じる。「この状況で出たか!!」一旦切れた気持ちを、この当たり、この瞬間にすべての神経を集中させる。竿先を海面の位置から自身後方へと渾身の合わせを入れる。竿がひん曲がり、ドラッグがジー、ジーと逆回転。この瞬間、よし!のった~っと叫ぶ。
ジェット噴射のパワーとストロークの長さから、経験上、間違いなくデカイカだ。沖約40メートルと距離がある位置で当たったため、真上に竿を立て、竿の弾力を存分に発揮でき、強烈なアオリイカのジェット噴射に耐えながら、デカイカを沖で浮かせることに成功。海面と平行な、おとなしくデカイカがプカプカと浮いている状態で、慎重に足元まで寄せきる。自分の足元には、前回の教訓から、ギャフを準備していたため、自らギャフを打とうとすると、鈴木さんから、「タモ入れます。」の声をかけてもらう。「自分でやりますよ。」と返答するも、鈴木さんから、「1回入れ、ダメそうなら変わります。」と力強く言われたため、鈴木さんにお願いする。
水面と平行な、おとなしくフラフラと浮いているデカイカを足元まで寄せきったところで、鈴木さんにタモ入れをお願いする。鈴木さんは、デカイカの後方からタモをデカイカに近づけ、デカイカからタモに入るよう演出する。
鈴木さんと、力強く握手する。前回のことがあったゆえ、喜びはお互いいつもの数倍である。握手の力が、おのずと増す。
胴長45センチ 全長105センチ 3120グラムのアオリイカであった。
このアオリイカを手にして、改めて、前回バラしたアオリイカの方が、このデカイカよりパワー、長さ、重さのすべてが勝っていたが、釣るまでの道のりと、鈴木さんとの付き合いを考えると、これまで手にしたデカイカのうちで最も思い出に残る1杯となった。(前回、デカイカを逃したことで生じた情緒不安定もようやく解消)
3キロ以上のデカイカは記念にイカ拓で残すことをお勧めします。
その後、700グラムのアオリイカを追加し納竿とした。
やはり、3月には、浅場、干潮潮止まり前、黒潮の影響の3つのキーワードがデカイカと出会える近道であろう。
(4月~6月は、デカイカへのキーワードが変わってきますので、今後、お伝えできればと思います。)