ベイトタックルによるショアキャスティング、ショアジギング 〜使用方法と注意点編〜【ずん氏連載 vol.10】 | カンパリプラス

掲載日: 2019/05/11

ベイトタックルによるショアキャスティング、ショアジギング 〜使用方法と注意点編〜【ずん氏連載 vol.10】

ベイトタックル 実釣時のポイントと注意点

前回に引き続きベイトタックルについて。

今回は実釣時のポイントと注意点。自分で書いていてなんだが、これがまた長ったらしい…。しかしながら、ベイトタックルでの釣りはそれほどまでに異次元の釣りであり、事前の理解を深めておいた方が快適に釣りができる故、ここは我慢してお付き合い頂きたい。

フィールドに立つ前に。キャストのキモは足腰の強さ

ベイトタックルのキャストに不可欠なのは、スイング時の安定感。身体の軸がブレると即バックラッシュする。その点を考えると、慣れるまではベイトタックルを使えるフィールドは限られてくる。慣れないうちは堤防や平たい瀬に立った方がいい。テトラやいびつな瀬は以ての外だ。

どうしても足場の悪いポイントで投げたい方は足腰の筋力を鍛えておこう。投げるという動作から、腕や手首の筋力に目が行きがちだが、足腰の筋力の方が重要度が高い。

私も腕周りと上半身の筋力は同世代と比べてかなりひ弱な方だが、前回紹介したタックルセッティングで40g程度のジグなら最大100mほど飛ばせる。下半身を意識してトレーニングした結果だ。一朝一夕でできることではないので、タックルを揃える前にトレーニングしておくのもいい。

ベイトタックルのキャストのメカニズムを理解し、あとは練習あるのみ!

スピニングタックルは仕組み上、飛距離や制度にこだわらなければとりあえずは投げられる。前にさえ飛べば釣りは成立するが、ベイトタックルだとそう簡単にはいかない。

スイング、垂らしの長さやサミングなどしっかり意識してやっと、バックラッシュせず前に飛ぶ。実にややこしい。しかしベイトタックルを使うためには避けては通れない道。そこで私なりのコツを紹介したい。

まずはスイング

長尺のロッドに慣れていない方はスイングが真円に近い円運動になっていることが多い。これはベイト、スピニングに関係なくタブーだ。リリース後にブレが生じやすく、飛距離が出ないどころかライントラブルに繋がる。ベイトなら即バックラッシュだ。更に言えばロッドが急角度で曲がるのでキャスト折れの心配もある。腕だけでなく腰も使って大きく楕円を描くようにスイングすればルアーの進行方向に安定して力が加わり飛距離が出せる。

ベイトタックルによるショアキャスティング、ショアジギング 〜使用方法と注意点編〜【ずん氏連載 vol.10】

そして大事なのはリリース後。ティップが水面を叩くほど振り切る方がいるがこれもタブー。ロッドがブレやすく、ガイドの摩擦抵抗でバックラッシュにつながる。リリース後は水平より上向きで止めることを意識してほしい。

垂らしの長さだが、これはルアーが軽いほど長く、重いほど短くするといい。しかし問題は重量以上に飛行姿勢の安定感だ。

そもそもベイトタックルに相性のいい、飛行姿勢が安定したルアーを使うのが一番なのだが、そういったルアーは限られる。多少姿勢が崩れがちなプラグを使う際は垂らしを長めにとったほうが安定する。

ベイトタックル 最大のキモ

そして最大のキモ、サミングだ。この操作に不安を感じる方は多いと思う。そもそもバックラッシュのメカニズムは、ルアーが飛ぶスピードよりスプールの回転が上回り、ラインが急激に緩むことによって起こる。そしてそれが起こりやすいタイミングはリリース直後の高回転時と後半だ。特にリリース直後に発生すれば高切れが起こりやすい。

私の場合、リリース直後に一度強めのサミングを加えている。そうすることでスプールの回転速度の急上昇を抑えるだけではなく、ルアーにもわずかにテンションがかかり飛行姿勢が安定する。

そして後半のバックラッシュに備えて、指はスプールから完全には離さない。指先でバックラッシュを感じたら即座にサミングを強めることでバックラッシュがおさまる。

ベイトタックルによるショアキャスティング、ショアジギング 〜使用方法と注意点編〜【ずん氏連載 vol.10】

以上が私なりにお伝えできるキャストのコツだが、これを無意識にできるようになるまで練習はした方がいい。ぶっつけ本番でやるとストレスだらけで釣りにならないと思う。

ベイトリールのマグチューン

また、快適に投げるためにはブレーキ力の設定にもこだわったほうが良い。個人的にはマグネットブレーキが調整が楽でオススメだが、快適さを追求するならチューンするのもアリだと思う。

私が使用するアブのレボビースト40HSは、ジグメインならそのままでも申し分ないのだが、シーバスプラグを投げるには少し不安があったので、壊れたリールから3mm厚のネオジム磁石取り出し、3つ追加した。

マグネット部のチューン用にZPIのセットアップネオジムなら更に細かい調整が効くので、ぜひともこだわって頂きたい。

ベイトタックルによるショアキャスティング、ショアジギング 〜使用方法と注意点編〜【ずん氏連載 vol.10】

ベイトタックルの利点 太糸特性を良く知り、活かすことが釣果の秘訣!

ベイトタックル特性を活かすなら太糸の使用は絶対的。ということは、その太糸に合わせた釣りを展開することで釣果に繋がる。根の荒いエリアなどを果敢に攻められる点もそうだが、他にも太糸の活かし方はある。

プラグの場合は、基本的には相性の良い引き抵抗の強いミノーやバイブレーションなどをメインに使うのが良い。しかし問題は風だ。
特に横風はルアーがラインの影響を受けすぎてまともに泳がなくなることもある。対策としては着水前に強めのサミングをして、出来る限り糸ふけを出さない、竿先を低く保つ、フォール中にゆっくり糸を巻く等あるが、それでもどうにもならないときはある。

それならばいっそのこと、風に流す釣りに切り替えるといい。太糸故に風や潮に乗せやすいのでシンキングペンシルやミノーのドリフトがとてもやりやすい。私もこれに気づいてからは、苦手なドリフトでも釣果を得られるようになった。

ベイトタックルによるショアキャスティング、ショアジギング 〜使用方法と注意点編〜【ずん氏連載 vol.10】

写真は先日ドリフトで釣れたマダイ。細糸なら上手くドリフト出来ない弱風のなか、ラインに出来る限り風を受けさせて流して釣れたものだ。4月の釣果の大半がこのドリフトによるものだったが、どれも大していい風が吹いていたわけでもない。太糸を最大限に活かしたからこその釣果ではないかと思う。

また太糸はジグのアクションにも有利に働く特性を持つ。遠浅のエリアでジグをシャクってもあまり高く上がらないが、太糸の持つ高い浮力が、ジグを高く跳ねさせてくれる。やはり横に動くのと、縦に跳ね上がるとでは後者のほうが反応が良いことが多いので、ショアスローなんかにはうってつけだ。

シビアな状況には細糸のイメージが強いが、太糸の特性を深く知り、活かすことで細糸では成し得ないことができるようになる。ベイトタックルを使うならこのメリットを活かさない手はない。

スピニングとは違うベイトタックルでのファイト!

しかしそのメカニズムには大きな落とし穴が..

ベイトタックルと言えば耐久性とドラグ力を活かしたガチンコファイトのイメージが強いだろう。しかしそれ故に誤解もある。その際たる例が「根に潜られにくい」と思われていること。これには大きな落とし穴がある。

スピニングタックルなら魚が走る力に合わせてドラグを設定するので、ラインをジリジリ引き出しながら沖に走る。こちらが掛けた力の向きの反対に走ってくれるから、魚は効率よく体力を奪われるので意外と根に潜られないのだ。

ベイトタックルによるショアキャスティング、ショアジギング 〜使用方法と注意点編〜【ずん氏連載 vol.10】

しかしベイトタックルのドラグは基本固め。スピニングほどの安定感はないので魚は沖には走れない。では、魚はどう行動するのか?

これが恐ろしいことに、楽に走れる方向、つまり沖ではなく手前に走り出すのだ。こうなると魚を浮かそうにもこっちに向かってくるわけだから容易ではない。ロッドで何度もリフトしながら全速力でハンドルを巻くしか手段はない。

ならばスピニングと同程度にドラグ力を調整すればいいのでは?と思われるかもしれないが、ベイトリールのドラグは駆動部分に直接力を与える構造のため、これをやると高負荷時にハンドルを巻くと余計にドラグが滑る。(スピニングはドラグを出しながらでも多少なりとも巻き上げられるが、そのメカニズムがとても複雑で説明しづらいので割愛)

しかしドラグをガチガチにし過ぎるのもよくない。魚はフッキング直後に大暴れしてフックが折れたり口切れを起こす。40cm程度のチヌですら太軸フックを折っていくこともある。暴れたときに多少ラインが走る程度に設定しておくのがちょうどいいと思う。

まだまだ深いベイトタックルの世界

これだけ書いてまだ足りない!?

もうすでに嫌になるほど長ったらしく書いたが、お伝えできているのはまだほんの一部。まだまだ書きたいことはあるが、この先はもう使いながら実感して頂いた方がいい。なにより使いこなすまでの過程は、なんだかんだ楽しいものだ。

ベイトタックルによるショアキャスティング、ショアジギング 〜使用方法と注意点編〜【ずん氏連載 vol.10】

写真の通り、4月もベイトタックルのみでの釣行で十分な釣果は得られた。しかし同時に、まだまだ使いこなせていない実感もある。

ベイトタックルでショアゲームを楽しむアングラーが増えるごとに、新しい発見やタックルの進化は加速度的に進むと思う。そうなれば、私が持つ悩みも誰かが解決策を見つけてくれるかもしれないし、なにより今よりもっと楽しくなるだろう。いつかそういう日が訪れることを願いつつ、今後も好奇の視線(?)を浴びながら竿を振り続けようと思う。