ベイトタックルによるショアキャスティング、ショアジギング〜基本編〜【ずん氏連載 vol.9】 | カンパリプラス

掲載日: 2019/04/22

ベイトタックルによるショアキャスティング、ショアジギング〜基本編〜【ずん氏連載 vol.9】

ショアキャスティング、ショアジギングでベイトタックルを使う前に・・・

今シーズンはカタクチの大量接岸に助けられ、例年以上の釣果に恵まれた。目標だったベイトタックル一本での釣行もやり通した。

スピニングタックルより有利に釣りができたかは確かめようがないが、瀬だらけのシャローエリアや根周りなどスピニングタックルでは躊躇いがちなポイントを積極的に攻めた結果、これまで獲れなかった魚も獲れるようになった実感はある。

ベイトタックルが年間釣行のメインになって数年経つが、思い返せば数々の試練(主に経済的被害)があった。リールは6台、PEラインは1万m、ルアーはいくつだろう…思い出したくないが山ほどダメにしてきた。

これからベイトタックルによるショアキャスティング、ショアジギングを始める方が、私と同じ目に遭わないで済むよう、今回はショアキャスティング、ショアジギングにおいてのベイトタックルについて書こうと思う。

ベイトタックルで必ず立ちはだかる壁。バックラッシュ…

ベイトタックルによるショアキャスティング、ショアジギング〜基本編〜【ずん氏連載 vol.9】

ショアゲームでのベイトタックルを始める上で、誰しも不安になるのがバックラッシュだろう。バス釣り未経験の方なら特に不安になる点だと思う。

私自身、バス釣りでは20年近くベイトリールを使ってはいたが、ルアーウエイト、ロッドの長さ、風など、バス釣りとは条件が違いすぎて最初はバックラッシュのオンパレードだった。キャストだけでもストレスなくこなせるようになるまで1年ほどかかってしまった。

しかし、これはタックルバランスやリールのブレーキ性能、相性のいいルアー選びなどの最適解がなく、全て手探りでやっていたからだ。目安さえあれば、それほど時間もかからず扱えるようになると思う。

ベイトタックルはスピニングと違い、タックルバランスが悪ければ、バックラッシュの連続でただ投げることすらままならなくなる。ロッド、リール、ライン、ルアー。この4つを上手く組み合わせて最良のバランスのタックルを作ることが何よりも大事だ。

まずはロッド選び。どうせならパワフルなロッドを!

まず前提として、ベイトタックルの1番のメリットは、耐久性と巻上げ力を活かしたパワーファイト。これを考慮すればパワーのあるロッドが最良。特にバットは強い方がいい。バットが弱いとブレてバックラッシュしやすいのだ。

シーバスミノーなど軽量なプラグを投げるのなら、テーパーはファーストがおすすめ。ティップまでガチガチのロッドなら、レギュラーテーパーぐらいでも大丈夫だ。
ジグの場合は、レギュラー~スローぐらいで大丈夫だが、その分ロッドパワーは強めがいい。最大キャストウエイトがメインで使用する重量の倍ぐらいあるぐらいが気持ちよくキャストできる。

長さは、スピニングタックルの基準より、少し短めの9~10.5ft程度が扱いやすい。堤防メインなら9ftでもいいが、地磯も行くなら10ft以上あったほうがいい。

こういった点を加味して、私が選んだロッドは、ソルティーステージKR-X SXJC1032H

MAXウエイト100gでありながら割と軽量で操作性が良く、ジグもプラグもこれ1本でこなしている。

最近はショアキャスティング用のベイトロッドが、シマノやアピアなど大手でも発売されているので、数年前より選択肢の幅は広がっている。ぜひ、釣具店で触り比べてみてほしい。

1番のキモ!リール選び。

私が1番悩まされたのがリール選び。何度も言うが今に至るまで6台ダメにしてしまっている。というのも、キャスティング用のベイトリールというのは、バス釣り用が主体で、10ftクラスのロッドに80gのジグをつけてフルスイングする釣りなんか想定していない。例えるならジムニーでサーキット走れと言われているようなものだ。
スプールサイズ、ブレーキ力、ドラグ力、耐久性、耐塩性。この5つをバス用リールで基準を満たすリールとなると、なかなかないのが現状。

ではどんなリールが最適なのか?肝心な部分なのでそこを細かく書きたい気持ちはあるが、かな~り長くなるので今回はおすすめリールを紹介したい。

ベイトタックルによるショアキャスティング、ショアジギング〜基本編〜【ずん氏連載 vol.9】

アブのロキサーニパワーシューターだ。重要な5つの基準を満たしつつ、しかも実売20000円弱とリーズナブル。この価格で前回記事の大型マダイの引きにもびくともしなかったから驚きだ。
ラインキャパもPE2.5号180mぐらいは巻けるのでショアキャスティングには十分だ。スプールサイズからして、適正は15から30gとシーバスプラグ向き。
ベイトタックルによるショアキャスティング、ショアジギング〜基本編〜【ずん氏連載 vol.9】

ベイトタックルによるショアキャスティング、ショアジギング〜基本編〜【ずん氏連載 vol.9】

さらに今年、ロキサーニよりもうワンサイズ大きいレボビースト40HSが発売されたので購入した。

ベイトタックルによるショアキャスティング、ショアジギング〜基本編〜【ずん氏連載 vol.9】

スプールサイズが大きいため、ジグや大型プラグのキャストでも安定感があり、飛距離も出る。ドラグ力も半端なく強いので、青物メインの釣りならこちらがおすすめ。さらに、マグ強化チューンで軽量なシーバスプラグも投げられる。

PEラインは8ブレイド一択!それは何故か…

ラインは太糸がメインになる。スズキやマダイメインなら2号以上、青物なら3号以上だ。
しかし、4ブレイドは禁物。絶対やめたほうがいい。というのも、私も最初は4ブレイドを使っていたがそのときは僅かにでもバックラッシュさせると高切れが頻繁に起きていた。ある日8ブレイドに変えたとたん、高切れが激減したのだ。

4ブレイドPEは表面の凹凸が大きく、バックラッシュで糸同士がヤスリのように削りあい、いとも簡単に高切れする。8ブレイド以上なら、表面が滑らかなので、摩擦熱も発生しにくく高切れもかなり少ない。

安く済ませたいがために4ブレイドPEを巻いても、かえって高くつくので要注意だ。
それに太糸PEは保ちもかなり良い。価格は上がるが最初から8ブレイドPEを使っておいたほうが経済的だ。

ベイトタックルが活きるルアーを選ぼう!

先に書いた通り、ベイトタックルはバランスを間違えば、投げることすらままならない。ルアー選びは相性をしっかり考えないといけない。

当然、重めのプラグやジグが投げやすいが、軽量なプラグを投げなければいけないシチュエーションは必ずある。

1番気を使うのはミノーだ。相性がシビアで、キャストで姿勢が崩れると途端にバックラッシュするので、無風でもない限り重心移動タイプがほぼ絶対条件となる。
さらに言えばリップレスタイプのミノーは飛行姿勢が安定しやすいのでおすすめ。

私のおすすめはシマノのエクスセンス、熱砂シリーズのミノーAR-Cシステムはメインウエイトが丸ごと動くので、本当によく飛ぶ。さらに着水と同時にウエイトが適正位置に戻るので動き出しが良く、これも釣果に繋がっている。

次回は実釣編!

ベイトタックルによるショアキャスティング、ショアジギング〜基本編〜【ずん氏連載 vol.9】

タックルが揃ったらいざ実釣。投げる、掛ける、獲る、全てにおいてスピニングタックルとは違う工夫が必要だ。次回はその点を深く掘り下げて書きたいと思う。
ベイトタックルによるショアキャスティング、ショアジギング〜基本編〜【ずん氏連載 vol.9】

釣りそのもののウデが不確かな私が誇れる数少ないもの、それはベイトタックルで散々舐めさせられた苦渋と辛酸の数々だ。それをやっと克服しつつある今、私にできることは、ベイトタックルに興味を持つ方々を「被害者」から「愛好者」に変える手助けをすることだと、勝手に使命感に燃えている。

フィッシングショー2021