アオリイカ GW釣行記【角田裕介氏連載記事浮きアオリイカ釣り 第19弾】
アオリイカ GW釣行記 浮きアオリイカ釣り 第19弾
浮きアオリイカ釣りのツノダです。今回は第19回目の釣行記。前回の第18弾で、四季の釣りロケ時の釣行など海釣り公園での釣行記と、黒潮大蛇行の影響から4月に例年、和歌山県中部から南部にかけて最盛期を迎えるはずのアオリイカの姿が確認されず、アオリ釣行にすら言っていないことをお伝えしました。
そして、今回、GW、例年なら春アオリ最盛期を迎えることから、デカアオリを期待して向かった、久々のアオリイカ釣行記をお伝えさせていただきます。
アオリイカ釣れました。 と4月末、知人からラインが入る。
アオリイカが釣れたという久しぶりの情報を良しと思った以上に、浮きアオリイカ釣りデビュー半年の知人がナイスサイズのアオリイカを手にとり、普段以上の笑顔を見せたことに、彼にとって、価値ある1杯のアオリなんだと嬉しく思った。
いよいよ、例年どおりの春アオリがスタートするのかと期待する。2カ月もアオリ釣りに行っていない。アオリに対するウズウズ感、禁断症状が出てきた。
そこで、海水温を確認する。
和歌山県中部(湯浅や日高等)は、まだ14度(昨年、同時期18度)しかないが、南部の串本では17度と、アオリイカが接岸する水温である。
4月末、釣行予定日。風向きを確認すると、三重県熊野付近の風が弱い。しかも、串本と同じく17度の海水温で、アオリの接岸も期待できる。
アオリイカには最高のタイミングで釣行!
満月前の大潮、満潮17時、干潮23時、夕方から月を拝める最高のタイミングで、19時から22時の潮が下がる好条件に竿を出すプランを計画
今回の同行者は、ささめ針フィールドスタッフの丸川さんと丸川さんの御友人。
防波堤や海上釣堀からの釣りをメインにされ、ささめ針の海上釣堀仕掛け、サユリ仕掛け等を考案されている丸川さんから、ささめ針のイベントなどで以前から、ウキアオリイカ釣りに連れていってほしいとお願いされていた。丸川さんに、「GW、ボチボチ、アオリ釣れはじめましたし、行きましょうか?」と連絡をとると、丸川さんから、御友人 藤森さんと藤森さんの御家族5名も一緒に連れて行ってということで、計7名で、フィッシングエイト本店に13時に集合し、国道307号線を、のんびり走行、熊野まであと10キロ地点の釣り具 吉野で活きアジを購入する。
16時、熊野の地磯に到着。
足場の悪い地磯であり、途中、山登りをしなければならないが、アオリイカの実績抜群のため、「ロッククライミングを楽しみましょう!!」と励まし、釣り場へ向かうも、GWのため、釣り場は満員、定員オーバー、あえなく、車へ逆戻り。
続いて、釣り場が広く、足場も良い、鬼ヶ城へ17時半到着
鬼ケ城は、駐車場にトイレもあり、磯場まで、舗装された遊歩道が続き、磯場の足場も良く、広大な釣り場のため、集客力が高く、大人数の釣行におススメ。
せっかく、世界遺産 鬼ケ城まで来たのだから、藤森さん家族を記念撮影
広大な釣り場に、釣り座を準備する。
大自然の、素晴らしいロケーションで、竿を出せる。しかも、春アオリの期待が持てる。天候も抜群。気持ちいい!最高の気分だ!!
足元で水深10メートル、30メートルキャストすれば水深は20メートル近くある、極深ポイント。タナを15メートルに設定して約30メートルキャストする。
18時、すでに月が登り、煌々と海を照らし出す。風予報とおり、ほぼ無風。波もない。釣れそうは雰囲気が海からバンバン感じる。
釣れました~っと私の釣り座から約200メートル離れた、藤森さんの御親戚けんちゃんからの声が届く。
けんちゃんに近づくと、笑顔のけんちゃん。いきなりですか!?
主人は、春イカを初めて釣りました~っとけんちゃんの奥様が隣でけんちゃん以上に大喜びだ。感動する奥様。奥様の大喜びの表情を見て、丸川さんと、良かったと言い合う。
ただ、このイカ。春イカのこの時期に、釣り場で一番初めに釣れる個体としては、サイズ的に良くない。経験上、アオリが群れで居た場合、最も大きな個体から当たりがあるものだ。このサイズが初めに当たるときは、経験上、海水温が下がり、大きな個体は海水温の変化に敏感なため、温度が安定した沖へ移動、その釣り場に残った小さな個体が当たったわけだ。
19時、潮が下がりだす。月明り、波、風、潮、すべての要素が良い状況となり、いつアオリが当たってもおかしくない。
20時半、なぜこの状況で、当たらない?
素晴らしい状況でも当たりがないことに不安となる。
21時、浮きが若干傾く。糸ふけをとるも、アオリの重さはない。仕掛けを回収すると、小さな個体に活きアジがかじられている。
回収したアジがヒンヤリと冷たい。海水温が下がり、小さな個体しかいないのかと、やっぱり、けんちゃんの釣ったイカの小さな理由をそう結論付ける。
21時50分、まったく反応がないアオリに、こういう時もあると諦め、竿を撤収しだす。次の瞬間、丸川さんから、ビックリするぐらいの大声で「ツノダさん 浮き沈んだで~。」丸川さんのウキを見ると、いったん海中に数秒沈んだが浮いてきている。丸川さんのところに行き、沈まない浮きを眺める。5分後、仕掛けを回収する。普段通り、リールを軽く巻きだす。リールを数回転巻き、あと2、3メートルで活きアジが海面というときに、竿先が海面に引っ張られる。竿が極端に曲がる。アオリがいきなり食いついたのだ!!次の瞬間、海面にナイスサイズのアオリイカの姿が!!興奮する丸川さん。足元まで慎重にアオリを寄せ、タモ入れ成功。
1300グラムのナイスサイズのアオリを手に、「足震えてる~。足震えてる~。足震えてるで~。ほんまに足震えてるで~。」と大興奮の丸川さん。
海上釣堀で、大きな青物と何度も格闘し釣った経験豊富な丸川さんでも、大自然のなか、ナイスサイズのアオリを手にしたときの興奮は絶頂であった。
丸川さんの、浮きが沈んだという申告のときは、活性の低いアオリが活きアジをしっかり捕まえきれず、活きアジが潜り逃げただけだったようだ。丸川さんが、ゆっくりリールを巻き仕掛けを回収したとき、活きアジが不自然に浮く様子に、思わずアオリがアジを抱き、イカ針にヒットしたようだ。何が起こるか分からない。これだから、釣りは面白い!!
これまでの経験で、小さな個体しか来ないと諦めモードであった私とは違い、丸川さんは、すぐ隣のグレ狙いの釣り人が21時40分まで竿を出し、残った撒き餌を足元に大量に巻き納竿したため、巻いた餌が漂っている足元に、活きアジを泳がせ、しかも、タナをこれまで足元10メートルで7メートルを狙っていたところ、撒き餌に群がる小魚が5メートルにいるだろうと予想して、タナを5メートルに浅く変更して、足元を狙っていた。群がった小魚に、活性の低いアオリも思わず接岸したのだろう。
最後まで諦めない、必ず釣るという執念が生んだ貴重な1杯である。
丸川さんのアオリイカを釣ったときの喜びようを見ると、こちらまで、嬉しく、一緒になって大喜び。気持ちよく納竿とした。
アオリイカを求めてGW後半 中紀へ
そして、GW後半、釣友の鈴木さんと、和歌山県中紀に向かう。いよいよ湯浅、日高あたりでも、海水温が15度から16度まで上昇する。さっそく、ゴムボートを準備して、岬先端の潮通りの良いポイントに行こうと計画。
道中、衣奈漁港の島田商店で活きアジを購入。
島田商店さんから、悪い情報が入る。「表面水温が16度まで上がる日はあるけど、底の水温が12度しかない。底の水温が15度ないと、アオリあかんな~。アオリだけちゃうで。魚全体的にあかんわ。お手上げ。」
大阪湾からの冷たい下り潮が中紀から白浜付近に流れているため、それを嫌ってアオリや大型魚が接岸してこないようだ。黒潮大蛇行に加え、冷たい下り潮で底冷え。悪すぎる情報である。
ただ、ボートを出し、これまでの実績ポイントに行けばアオリ1杯は釣れるだろうと安易に考え、二人でアジ20匹購入。
いつものように、浮きアオリイカ釣りの浮きを見ながら、ブラクリにアジの切り身を付け、ガシラ釣りを楽しむ。底の水温が低いせいか、ガシラが口を使わない感じがする。ガシラの実績ポイントに行っても、ほぼ当たりがない。ガシラも、こんなに厳しいのか?
ボートで移動を繰り返す。
数時間、イカもガシラも当たらない。
ボート移動数か所目、ようやく、ガシラのコンコンという当たりを捉える。
いつものガシラのゴンゴンと激しい当たりでなく、コンコンと繊細な当たりだ。
まだ、ガシラの活性が上がる水温でないようだ。
なんとか、ガシラを4匹釣ることができた。
ただ、本命のアオリの当たりは、まったくなし。1回くらいはアオリの当たりがあると安易に考えていたが、まったく当たりがないとは・・・・底の水温の低さを痛感。
帰宅後、ガシラの煮付けを娘に食べさせ、「あれ?イカは?イカ食べたい!!」とイカをせがまれる始末。
本来、この時期の中紀は、3キロサイズのハイシーズン。どうか、本来の中紀の状況に戻り、浮きアオリイカ釣りを楽しみたい。次回こそアオリと格闘したいという思いが、日々募るばかりだ。