投げ釣りキャスターにもできる資源保護【中本嗣通氏連載記事No.44】 | カンパリプラス

掲載日: 2016/01/15

投げ釣りキャスターにもできる資源保護【中本嗣通氏連載記事No.44】

毎度です

今回はチョイとだけ上から目線の真面目なお話を一席。

(ホンマ、えらそうな事をいってスイマヘン…)

 

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さて、今季の冬はこれまでのところメッチャ『暖冬』の様相です。

思えば「地球温暖化」とか「異常気象」という言葉が現在は当たり前のように聞こえてきますが、これは人間様がこれまで自分勝手な理由から行った所業による現象に間違いないと思いまっせ。でもまっ、その恩恵を受けて僕らは便利で清潔な文明生活を送れているのも間違いなく、そのことを聖人君子の如く説教や批判なんぞをする気は更々おまへん。

 

しかし、少なからずその影響で僕らの趣味である「釣り」で魚が釣れなくなってきているのは確かやと思います。内海では寒流系の魚は幼魚時の高水温による死滅で数を減らしてテリトリーを他魚に取って代わられた例や、エサとなる生物などが無酸素現象で起こる「青潮」などの影響で激減し、それを捕食する魚が減っていった例もあります。

 

2

 

…だからといって、それら環境問題だけが僕らの遊び相手である魚が減った理由のすべてではおまへん。何と言っても投げ釣りのターゲットの大半である底生魚は目の細かい底引き網で小さな稚魚もろとも根こそぎ捕獲する無差別な漁がくり返され、漁業権を持たない船が夜間に岸のギリギリまで網を引く違法操業などの傍若無人な所業も魚の数を減らしていった大きな原因やと考えています。

 

そう、島国の日本といえども魚資源は無尽蔵にあるのではないのです。

現在のように日本沿岸に生息する魚を獲り尽す漁獲方法を続けていけば我が首を絞める行為に等しく、このことについて一考する必要性に迫られているように思えます。何といっても、僕ら現世代に生きる人間は古人が残してくれた美しい日本の自然に生きる魚を、美味しい食料である魚を次世代の、次々世代の子供たちにも残してやる使命があるのと違いまっかな?

 

3

 

そして、そのために僕ら投げ釣りキャスターにもできることがあります。それは魚釣りという遊びの中であっても資源を守る意識を持つことで、たとえば稚魚が掛かりやすい小針を使わないようするのも一手。カレイ釣りならカレイ鈎15号を使ったり、キス鈎なら9号より小さなハリを使わないといった規制を自分の意識の中で作り、できるだけ大きなハリを使って稚魚がハリに掛からないように心がけてやれば多少なりとも資源保護につながるかも知れません。

 

4

 

こんな「資源保護の為に割り箸を使用せずにマイ箸を持参して使う…」的に行動が“偽善”や“マスターベーション”だと言われる方もおられるかも知れませんが「何かの行動をしなければ結果は現れない」のであって「行動しなければ何も変わらない」は自明の理であると思います。たとえ自虐的でマスターベーション的な行動であったとしても、それが数集まることでチョットは結果に影響が与えられたら良いのと違いまっかな

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