スルメイカの接岸。【吉田聡氏連載記事No.08】 | カンパリプラス

掲載日: 2013/06/03

スルメイカの接岸。【吉田聡氏連載記事No.08】

6月になりました!!! どんよりとした湿気を含んだ空気に暗い空、梅雨の季節ですね。釣り場では曇り空から急に雨が降ることが多く、足場が滑りやすくなることも。雨具はもちろんのこと、足元もしっかりと滑りにくい装備でお願いします。
さて、梅雨といえば毎年楽しみにしているのが、スルメイカの接岸。ここ大阪湾では、年によって接岸状況が違いますが、岸壁から手軽に狙えるので、近年では人気の釣りになっています。鮮魚として出荷されるイカの中では最も安価で馴染み深いイカですが、釣りモノとなると独特の引きとアタリで狙う人をとりこにしてしまうようです。イカ専用のテーラー仕掛けを投入し、電気ウキのアタリを待つ、そんな光景がこれから待っています。ウキを見ていると、少しだけ沈んでグッと抑えるアタリ、ぐいぐい持っていくあたりなど、さまざまなパターンがあり、興味深いものです。

 

手軽な近場で狙えるイカですが、ルアーマンやエギンガーにも気になる存在。近年、道具の進化でスルメイカもエギで狙えるようになって来ました。十分な強度をもつ細いPEライン、繊細なアタリも逃さないライトなロッド、そして高バランスの小さいサイズのエギとスッテなどが登場してきています。

獰猛な反面、狡猾なところもあり、なかなかアタリだけでハリガカリまで至らないことも。泳ぐスピードは魚と同等かそれ以上で、いきなりエギの背後に現れたかと思うと、ワンタッチだけで消えていくこともあります。スルメイカはアオリイカに比べて少しイレギュラーなアクションが好みなようで、左右にダートさせるよりも、直線的にスピードフォールさせたり、パニックアクションによく反応したりします。ハリガカリさせるためには常にラインのテンションを保ったほうがよく、アタリ即合わせが基本になります。

 

好成績なのがエギを結節した上に、リーダー部分に小さい浮スッテを配置したリグです。群れを演出してイカの捕食スイッチを入れやすいのと、ダブルヒットが高確率で狙えることです。仲間が捕食していると思って、別のイカも獰猛にアタックしてくるのでしょうか?また、群れが入ればワンキャストワンヒットになることも多く、子供さんや女性の方でも楽しめます。お父さんがキャストして、子供さんに釣ってもらえば、点数上がりますよ?(笑)案外昼から夕方の潮がよく釣れることもあり、梅雨の合間のレジャーとしても重宝します。

釣りの後のお楽しみはモチロン!釣ったイカを頂くことです。私はタッパーに専用の醤油を準備しておき、生きたままイカを醤油に漬け込む沖漬けを楽しみにしております。イカが醤油を吸い込み、身の隅々まで味が行き渡ります。そのまま生食もOKですが、少し焼いていただいても絶品となります。ごくまれにですが、寄生虫が入っていることもあり、気になる方は漬け込んだ後のイカを一度冷凍すると良いでしょう。冷凍することにより、寄生虫は死んでしまいます。また漬け込む日数によっても味が変わり、いろいろな味の変化を楽しむことが出来ます。
我慢できずに、現場でイカにむしゃぶりつく人たち(笑)
梅雨の時期に大阪湾で狙えるスルメイカですが、少し難点があります。このイカ、かなりの度合いで水潮が嫌いなようなんです。前日までよく釣れていたのに、雨が降り出すと全く釣れなくなるなんてことも。恵みの雨をもたらしてくれる梅雨の降雨ですが、なんだかもどかしい感じですね!

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