身近なエリアでのチヌゲーム【吉田聡氏連載記事No.06】 | カンパリプラス

掲載日: 2013/04/03

身近なエリアでのチヌゲーム【吉田聡氏連載記事No.06】

さて、待ちに待った4月でございます! 皆様の中には、心機一転、新しい環境の中で新たなスタートを切られる方もいらっしゃるかもしれません。 他の地方から関西に越してこられる方も・・・?

実は先日、横浜の国際フィッシングショーにて、ValleyHill内のJINGOブースを担当させて頂きまして、関東方面のお客様といろいろお話させていただく機会がありました。関東というと、船釣りや渓流釣りが盛んなイメージがありましたが、思った以上に陸っぱりの釣りも盛んなようで、いろいろな興味深い釣りの話もありました。

しかし!!関西出身の私としましては、やっぱり関西イチオシ。4月から関西で新しい生活をスタートされる方には、是非、その良さを味わって欲しいです。ルアーマンの立場から見ると、1年中目移りがするぐらい魚種の豊富なこと!春はメバルに始まりデカイカ狙いも、初夏からは青物の回遊も期待でき、秋になると忘れては行けないのが波止からのタチウオ!そして冬にかけてアオリイカの数釣りやアジングが楽しめます。それに、シーバスは年中、様々なパターンで高確率で狙えます。もちろん、釣果情報は関西陸っぱり情報サイト・カンパリで!うん、投稿してポイントゲット、そして釣具の補充もお忘れなく♪

豊富な魚種の関西ですが、そんななか、ずっと研究しているのが、身近なエリアでのチヌゲーム。マチヌやキビレをルアーで狙うのですが、これが実に奥深い内容です。シーズナルパターンもさることながら、気候や潮まわりによっても反応が違い、ずっと私を翻弄し続けてくれています!狙える場所も波止やテトラから、河口内まで色々なシチュエーションを楽しむことができますよ。

まずは、キビレ(キチヌ)狙いの基本。汽水域を好みますがシーバスほど大胆には遡上しないようです。関西では河口や湾奥の運河狙いが中心となりますが、まずはカキ殻が付いているかどうかをチェック。付いていれば、程よい汽水域ということで、キビレの生息域にマッチしていることになります。そしてボトムの質をチェック。キビレをルアーで狙うにはボトム中心となりますが、あまり根がかりの激しいポイントではルアーの消耗が激しく、環境にもアングラーにも負担になってしまいます。逆に、根がかりのしない何もない泥底は、キビレにとって魅力的では無いらしく、あまり釣果が望めません。

理想は砂~砂利底で根が点在し、出来れば干満差の潮が大きく行き来する浅いエリアです。そのような場所をキビレは底に住む甲殻類や小魚を追いかけて捕食しています。マチヌより、ボトム執着性が高く、ルアーで狙う場合は常にボトムコンタクトを心がけるよう注意します。反応の良いルアーはバイブレーションや、ズル引き系のラバージグ、そしてワームのジグヘッドリグです。今挙げた順に、前者の方は広範囲に探るのに向き、後者になるほどピンスポットをしつこく狙うのに向いています。

一方、マチヌ(チヌ、クロダイ)の方は、今の時期から初夏までは、もう少し外海に近いところに生息します。おそらく産卵行動と関係しているのでしょうが、近くに水深のある場所を好むようです。具体的に、私が今集中攻撃をかけているところは、外海に面した潮通しのよいテトラ帯や石畳です。そのような場所で、産卵のために荒食いを行なっているようです。一説によると、マチヌは2~3ヶ月の産卵期間中に ずっとダラダラと産卵し続け、体重1kgのマチヌで、その産み落とす卵の量は合計で1kgにもなるそうです。ということは、産卵期間中も捕食を続けているわけで、まさに荒食いの季節ということができます。

これは先日3月15日にキャッチしたマチヌで、産卵期に先駆けて、もうこんなお腹をしています。スタミナも十分で、良い引きをしてくれました♪   さて、その狙い方ですが、今の時期マチヌは垂直ストラクチャーを好み、干満に乗じて、そういった構造物に着く、甲殻類や海藻類を捕食しているようです。ですので、狙い目は岸壁やそのボトムということになるのですが、これがなかなかルアーでは狙うのが難しい現状。そこで、比較的そのような条件に近い、テトラ帯や石積み護岸を狙い、最近は釣果をあげています。

このマチヌは先日3月19日に、メジャーポイントである西宮ケーソンのテトラ帯でキャッチしたものです。現状皆さんが入手できるルアーでは、バイブレーションやクランクベイト、ダイビングミノーを持ち出し、水中のテトラ面や石積み面をレンジを変えながらトレースするのが基本となるでしょう。それに対し、現在私は攻略法を含め、新しいタイプのルアーを研究しているところです。キビレ狙いに対しての違いは、マチヌの場合は水中をより“立体的に”狙うといったところでしょうか? 気難しい反面、大胆なところもあるこのマチヌ、相手にとって不足なしです!キビレも楽しいですが、マチヌは60オーバーのサイズまで成長します。一発大物を夢見てマチヌ狙い、そして結果が出なければ移動して抑えのキビレ狙い、そんな楽しいチヌゲームに最近夢中になっています!

フィッシングショー2021