脇役的釣魚である「コブダイ」【中本嗣通氏連載記事No.12】 | カンパリプラス

掲載日: 2013/02/20

脇役的釣魚である「コブダイ」【中本嗣通氏連載記事No.12】

毎度でおます

今年も2月1・2・3日と大阪南港インテックスで開催された『フィッシングショーOSAKA 2013』ですが、ナント、開催50周年にしてまたまた観客動員数を更新し、史上最多の○○○人がインテックスに集まったとのことでっせ♪

僕らが若き頃には「釣り具見本市」なるモッチャリしたタイトルの催し物でおましたが、いつの頃からか「フィッシングショー」なるハイカラな名前に変わり、ホンでもって若くて美しいコンパニオンのお姉さんが恥じらいもなく素肌を晒すという、助平なオッサン連中にとっては釣り具新製品の発表会というスタイルから別の意味でのアミューズメントパークになっているのが影響しているのか…
イヤイヤ、これこそ長年にわたって斜陽不況に苦しんでいた釣り具業界にとって、自然志向のユーザーが回帰してきた「景気回復のアベノミクス‼」と言っても良い、ひと筋の光となる予兆といえるのかもしれまへんな。

…ところで、今年のオッサンはといえば、もちろんSASAMEのブースに立ちましたがこれが業者日の1日のみ。それというのも、忙しい本業のお仕事関連でお休みが取れなかったに相違ありません。

でも、SASAMEのブースでは篠倉社長の奥さんと午前中はオシャベリを楽しみ(なんや、若くして早やお祖母ちゃんになられたそうでっせ…)、午後からは関東の陸っぱり釣り雑誌である月刊『磯・投げ情報』(海悠出版)の取材を受けていたら、これまた辣腕美人記者であるITさんとの楽しいオシャベリが楽しくてアッという間に終了。 ホンマ、今年のフィッシングショーはなんやスカ屁みたいな頼りないモノでした…。

ところで、『磯・投げ情報』の取材はオッサンのミニ特集とのことで、3月25日に発売される5月号に掲載される予定です。 よろしければ、是非とも1冊お買い上げ下さいな。全国の有名書店ならば、必ず書棚に並んでいるハズです。 どぞ、ヨロシク 

さて、今回も前回に引き続いて脇役的釣魚である「コブダイ」がテーマとなります。

このコブダイ(カンダイ)はベラの一種。南海の磯からの底物釣りで釣れるアオブダイやナポレオンフィッシュと並ぶ大型種で1㍍近くになり、身近なベラ類としては最大級にまで成長しまんねんな。 まっ、特徴であるコブが目立たない若魚でも40㎝はあり、通常は60㎝~80㎝UPという型物が相手をしてくれるんでっせ。

でっ、コブダイといえば「コブのひと伸し」という格言が昔からあるとおり、一発目のアタリ時にみせるパワフルな引き込みには定評がおます。 ただ、悲しいかな眼を見張る抵抗はこの一撃のみで終了というパターンが多く、以後のやり取りは重々しい抵抗をみせるモノの、コロタマのような連続する剛力さはないような…。 だから、通常の投げ釣りタックル・仕掛け(カレイ釣り用タックル等)でも充分に勝負ができると考えます。

しかし、これは遠いポイントで喰わして巻き寄せるてくるパターンであって、近くのポイントで喰わした場合のコブダイの抵抗は手元へ直撃しますから、磯モン並みのパワフルかつスタミナのある攻防になりまっせ‼

だから足元直下などの近投ポイントを狙う場合には磯モン狙いに準じる強力なタックル、仕掛けをチョイスするのがスタンダートで、柔なスペックの投げタックルでは太刀打ちできまへん。

そこで、一例を挙げるならば、ロッドには真っ向勝負が可能なDAIWA『トーナメントサーフT パワートルク』の33~35号といった硬調子が有利。 ラインはPE 5~8号、ハリスは8~12号という準磯モン仕様が無難でっかな。 針にはモチのロン、対大物用のささめ針SURF真鯛』の(M)~(L)で決まり。市販仕掛けを使うなら『投魂マダイ』の(M)~(L)のハリスを途中からブチ切り、矢引き(約80㌢)ほどに短くチューンしたモノがバッチリやと思いまっせ♪

まっ、そんなパワフルなファイトを近場で楽しめる数少ないターゲットということで、一部のマニアックなキャスターからは熱烈に支持されている。 でも、一般的にはそのデコっぱちな醜い容姿と一般的に大味で不味いとされているお味が災いしてか“外道”として評価されており、どちらかといえば不人気なターゲットに入るといえまっかな

そんなコブダイが投げ釣りで狙えるのは、意外にも瀬戸内~淡路~鳴門といった内海エリア。このエリア一帯は昔から魚影が濃く、どちらかといえば外海向きのエリアよりも高確率でハリに掛かります。 遠投ポイントには潮通しが良い沖合に在るシモリの際、バラ根が点在する砂礫底などがあり、近投は主食の貝類が付く波止の捨石やテトラなどの際が主ポイントになりまんな。

このコブダイ、ベラの仲間のくせに低水温には強いようで、釣期はほぼ1年を通じてOKでっせ。時合いは他のターゲットと同じように潮の動きに変化が見られるときに活性が上がるようで、カレイやキスのアタリに交じって竿をブッ飛ばすカンダイからの強烈なアタリが襲い掛かってきます。

実績エサは遠投ポイントではマムシ、イチヨセなどが良く、足元近くを近投で攻めるならば、先の虫エサに加えてボケ、冷凍エビ等もバッチグーですわ。また主食である貝類もカンダイの大好物でっから、足元に撒く寄せ餌と兼用でリーズナブルに使えるアケミ貝も喰いがよろしおまっせ

フィッシングショー2021