灼熱の時を経て、残暑厳しい初秋の但馬。
夏も終わりとなりましたが、海はいよいよ最高水温となり、小魚達の狂喜乱舞が如き賑わいを見せています。
朝日と共に太陽は植物性プランクトンを浮かせ、強い紫外線に弱いが捕食者となる動物性プランクトンも追従し、ベイトフィッシュを呼ぶ。
つまり朝な夕なのマヅメやナイトの時間帯に特に熱い反応を見せてくれるターゲットの楽しめるシーズンでもあるんですね。
その中でもフラットフィシュ、そうマゴチが数釣れるようになります。
実は産卵で接岸し初夏の6月頃から既に釣れ出しており、但馬丹後では10月一杯くらいまで楽しめます。 通称【照りコチ】とも呼ばれ、陽の照りつける夏の代名詞にもなっている地方もありますが、見た目が少々グロっぽく、こちらではメインで狙っているアングラーは少なく感じます。 しかし、身は上品でアッサリとした白身魚であり、刺身は勿論、鍋や揚げ物など様々な調理で美味しく、料亭などでは高級魚として扱われますが、簡単に釣れるので暑いこの時期の比較的涼しい時間帯の釣りモノとしてお勧め。 頭は平べったい形状で、色も淡い砂の様な褐色。 察する通り、ヒラメなどと同じ砂泥底を好んで生息しますので、河口域やサーフなど、また隣接した防波堤がポイントとなります。 この時期は40〜50cm前後の個体がレギュラーですが、60〜70cmの個体も高確率で混じり、厚みのある筋肉質なボディーから起こる首降りはヒットしてからのトルクフルな引きを楽しませてくれるでしょう。 タックルも遠投するならやや長目が有利ですが、6〜8フィート辺りのバスロッド、エギングロッドなどのライトタックルが楽しさを倍増させてくれます。 ルアーは何でも良いかと思いますが、プラグ、メタルジグ、ワームなどが好反応。
サーフの遠浅でトップにも出てくれますが、基本はやはりボトムフィシュ狙いのセオリー通り、ボトムコンタクトでしょう。
テリトリー的なものは持ちませんが、全くのフラットなボトムよりも多少起伏のある砂泥底やシモリなどのストラクチャー周りに着き、ベイトフィッシュを待ちます。
「待ちます」と書いたのは潮変わりで若干の移動をする程度で、ベイトフィッシュを追い回すといった事よりも、近づいてきた獲物を獲るスタイルである為で、更にこの事から、潮による着き場には顕著で、潮の当たる、つまりはベイトが流れて来るであろう潮表を好む傾向にあります。
防波堤であってもサーフであっても潮の流れ(向き)やヨレをよくみて、ストラクチャーやボトムのブレイク変化へルアーを通したり、送り込んだりする事が大事です。
群れているというよりは捕食に有利なポイントへ塊っているといった事が多く、渓魚の様に力関係で一番良いポイントには良型が着き、続いて二番三番となり、ポストが空くと順次入るといった感じとなります。
従ってヒットしたポイントは何度も通すのが有効と言えます。
アクションはそう難しく考えず、ルアーが本来持っている動きのみで十分であり、ぶっちゃけロッド操作の必要性より、タダ引きでリトリーブスピードを潮の速さ程度に調整する事に集中した方が良いでしょう。
アタリについては潮が速ければいきなりガツンでギュン。 潮が弛ければコンコンガツガツでギュ〜ンってな感じでしょうか(笑)
どちらにしても食い逃げる事は少なく、しっかりと食い込んでから合わせるスローなフッキングで良いですが、イーターに共通する様に口は硬いのでガッツリと合わせてやって下さい。
夏は多くの人出で賑わいを見せたビーチも 今はひっそりとしています。 過ぎ行く夏を惜しみつつ、静なビーチにたたずみ、これから訪れる賑やかな秋烏賊の前にのんびりと大胆に竿を振るのも一興かと。
ん?秋烏賊?
まだまだ小さいですが順調に育っている様ですよ。
これからひと潮毎にグングンと大きくなり、数週間もすればエギンガーを楽しませてくれるでしょう。
次回は秋のアオリイカについて触れてみたいと思います。
お楽しみに。