アオリイカ、環境による考え方【大伴渓児氏連載記事No.03】 | カンパリプラス

掲載日: 2012/07/02

アオリイカ、環境による考え方【大伴渓児氏連載記事No.03】

山陰日本海の春烏賊も終盤となってきました。

今年はやや遅れ気味のスタートでしたが、始まると同時に数だけか型まで良いと言うのがこの春の状況で、楽しまれたエギンガーも多いと思われます。   台風の影響で真水も流入してはいますが、予想していた程でもなく、海况も比較的に安定していた分、海水温度の上昇を抑え、釣期を延ばしてくれる、春烏賊だけを考えるとある意味恵みの雨とも言えるでしょう。

現在の海水温度は約20度。 例年だと28度を迎える七月の中旬頃まで狙えるのですが、今年は少しズレ込みそうな予感もします。   しかしながら季節の進むスポーンベッドとなるエリアでは個体数も少ないばかりか、数度の交接や産卵を経験したものや、ラストステージ間近な個体で、その多くは肝心の食餌としての捕食へ関心の薄くなって活性云々以前の個体であると言えます。

勿論、粘れば回遊次第でキャッチ出来る事もありますが、そういったポイントで待ちの釣りを展開するよりも実際の食餌、つまりはフィーディングゾーンを直撃する方が確率はグ〜ンと高くなるのです。

春烏賊全般、大きくは秋烏賊の終盤にも言えるのですが、キーワードは水深と潮流、付け加えるならストラクチャー。

シャローとディープが隣り合わせのブレイクが激しいエリアや潮流のメリハリのあるエリアがポイントとなる事が多く、フィールドにもよりますが、日本海でいうならば漁港等よりも、諸に潮表となり、ボトムもベジテーションよりもハードな起伏のある回遊性ベイト回る磯場に分がある様に感じています。

こう書くとシチュエーションの変化が大きい様に聞こえますが、勘違いして欲しくないのは、こういったポイントは水温変化が少なく安定していると言う事。

正に今の梅雨時期に水潮になりにくく、またこれからの強い日差しによる水温の急上昇などの変化に強いポイントなんですね。

前述したキーワードを突き詰めると水温となる訳ですが、厳しい条件下で出てくるのはやはり身の厚い良型。 大きくなればなる程、水温変化による耐水温、塩分濃度による耐水性が出てきます。 従ってシーズンの初期や終期にはデカイ奴が出る可能性は高いのです。

数はピーク時に比べると格段に少ない。 更に活性に個体差が大きい。

コレにメンタル的な要素が加わり、日本海の但馬丹後のエギングは厳しいとも言えます。 だからこそ誰でも釣れるピークに比べ、一杯の価値があり、この状況を耐え、制覇した者には賛美が与えられます。

飽き性で忍耐力のない私は既に動き出したロックフィッシュに浮気したりもしていますが、この時期を逃すと暑い夏を越え、寒く厳しい冬を耐え、来年の春まで長い長い時間を要します。

このラストチャンス、是非チャレンジしてみて下さいね!

フィッシングショー2021