伊豆・出雲遠征での素晴らしい出会いに感謝【角田裕介氏連載記事浮きアオリイカ釣り 第33弾】 | カンパリプラス

掲載日: 2019/07/05

伊豆・出雲遠征での素晴らしい出会いに感謝【角田裕介氏連載記事浮きアオリイカ釣り 第33弾】

和歌山は夏アオリにシフト

浮きアオリイカ釣りのツノダです。今回は第33回目の釣行記。前回の第32弾で、デカアオリ祭りについて紹介させていただきました。そして、今回は、2度の遠征(伊豆、出雲)について紹介させていただきます。
 前回32弾では、大型連休後、和歌山県中紀にデカアオリの大きな群れが接岸し、デカアオリ祭りとなっていることをお伝えしましたが、6月に入ってからも、5月ほどの爆発力はないものの、デカアオリが中紀に居残り、釣れ続いています。ただ、6月に入ってからは、海は夏の様相を呈し、春アオリ釣りから夏アオリ釣りに変わっています。
 6月初旬、和歌山県有田の砂浜からゴムボートを出し、岬の先端付近の藻場で、夏アオリらしい1500グラムの雄の残りアオリがヒット。

伊豆・出雲遠征での素晴らしい出会いに感謝【角田裕介氏連載記事浮きアオリイカ釣り 第33弾】

 夏アオリの特徴は、雄より、雌の当たりが多く、1キロ前後の雌の数釣りが楽しめる。まれに、残った2キロサイズの雄が混じることもあるが、春アオリのような3キロを超えるデカアオリは、なかなかお目にかかることはない。
 また、藻が伸び、藻に根掛かりすることが多く、さらに、藻がちぎれ、流れ藻が多く、藻がラインや仕掛けに引っかかり、トラブルが続出する。
 一方、流れ藻を見つけて、流れ藻の近くに仕掛けを投入すると、流れ藻と一緒に回遊しているアオリがヒットすることも。
 春同様、藻に対する攻略こそが、釣果を大きく左右する。
 6月初旬の感じでは、まだまだ中紀でアオリ釣りが楽しめる状況であったが、今シーズン4月末まで続いた和歌山全域のアオリ絶不調状況から、4月末に6月の釣行予定を考えたときに、和歌山でなく、伊豆と出雲に釣行プランを変更し、遠征計画を立てていたため、好調な中紀で竿を出したい気持ちを抑え、伊豆に向かった。

爆風の中の伊豆遠征

南伊豆で4キロを超えるアオリが釣れているという情報から、下田のホテルを予約し、伊豆半島南部の釣りポイントを事前調査していた。
 下田のホテルにチェックイン。翌日の釣行に備え、釣り仲間と宴会ミーティングを実施する。各自、事前調査していた釣行場所や釣果情報を話しながらの宴会は、遠征旅行の楽しみの一つである。ただ、思いどおりに行かないことがある。
釣行当日の天候である。
事前調査していた西伊豆全域では南西風爆風で、風速10メートルを超え、さらに、南伊豆の西側、南側、東側では、波が高く、うねりがあり、釣りができる状況でない。事前調査していた釣り場はすべてアウト。最低の天候状況である。
下田まで来て釣りができないことは考えられない。どこで竿を出せるか、風向き予報を確認、伊豆半島で当日、唯一竿を出せそうなポイントが沼津となる。
下田に泊まり、わざわざ北上すること車で1時間半。沼津の栄昌丸(電話055-943-2574 営業4時30分から19時 アジ大1匹130円)で、活きアジを購入する。

伊豆・出雲遠征での素晴らしい出会いに感謝【角田裕介氏連載記事浮きアオリイカ釣り 第33弾】

栄昌丸で当日購入した活きアジは、これまで、様々なところで購入した活きアジのなかでも、トップクラスの元気さであった。販売員の方の対応も、素晴らしく気持ちがいい。
せっかくの元気な活きアジだ。パワーポンプで元気さをキープする。
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栄昌丸から、車を西に走らせると、道沿いや、波止、護岸に、どこにでも、アオリイカ釣りをしている人の姿を見にする。こんなに、アオリイカ釣りをしている人が多いの?っと、驚きながら、ポイントを探す。富士山を眺めながら竿を出せるポイントが多く、ロケーションは最高だ。
ようやく、アオリの釣れる雰囲気があり、空いているポイントを見つけた。
伊豆・出雲遠征での素晴らしい出会いに感謝【角田裕介氏連載記事浮きアオリイカ釣り 第33弾】

昼すぎ、釣り座の準備をする。隣で竿を出している遠投かご釣りをされているカップルが物凄く釣りを楽しんでおられ、しかも、彼氏の竿がガマカツのカゴスペシャル、彼女の竿がダイワ メガティスと、今、自分が使っている竿と、使ってみたい竿を持っておられ、話をしてみたい衝動に駆られ声を掛けさせていただく。お二人の姿から、釣りを楽しむっていうことは、こういうことなんだと感じた。素敵な方で、釣りの話を1時間以上させていただいた。しかも、西伊豆のアオリイカのポイントをピンポイントで教えていただけた。出会いに感謝したい。
富士山を眺めながら、のんびりする。夕方から竿をだす。

渾身の合わせを入れると、めちゃくちゃ重たい!

17時、船道に流していた浮きがジワーッと沈み込む。アオリらしい浮きの沈みで、糸ふけをとると、デカアオリらしいドッシリとした重量を感じた瞬間、渾身の合わせを入れる。竿がひん曲がり、めちゃくちゃ重たい。重たいが、アオリ独特のジェット噴射が始まらない。経験上、藻?タコ?っと想像しながら、めちゃくちゃ重たく、必死にリールを巻く。しばらくすると、竿を叩く抵抗を感じる。魚? 重たく、なかなか浮いてこない。やっと姿を確認。重たくから、潜る感じ、走らない抵抗などから、うすうす気づいていたが、正体は、巨大ウツボであった。

伊豆・出雲遠征での素晴らしい出会いに感謝【角田裕介氏連載記事浮きアオリイカ釣り 第33弾】

釣り仲間と、巨大ウツボで、騒ぐ。とりあえず、デカくて太い。メーターオーバーだ。ウツボを掴もうとすると、狂犬のように、振り向き牙で襲いかかってくる。驚き、はしゃぎまくっていると、おじさん登場。「ウツボの締め方も知らないのか?」「お尻の穴にハサミを突っ込んだら、すぐに弱る。」「知らないの?」えらい偉そうに言われ、若干、抵抗を感じるも、「ありがとうございます。やってみます。」とおじさんに感謝の言葉を伝えると、おじさんが納得して、自分の釣り場に戻ってくれる。ウツボのお尻にハサミを突っ込むと、見る見るうちに、ウツボは弱っていく。「ほんまに弱ったわ~。」っと突っこむ。さっきまでの狂犬の勢いはなし。ここで、再び、おじさん登場。「弱った?」「これは知らないといけない。」「知ってて当然。」・・・・・ウツボの講釈再開始。命名 「ウツボおじさん」 ありがとうございました。その後も、うつぼの当たりが続き、アオリの当たりなく、終了。
沼津から下田のホテルに戻り、宴会をする。宴会のメインは、ウツボおじさんの話。
翌日、沼津で出会った素敵なカップルに教えていただいた西伊豆のポイントを下田からの帰路、見て回ったが、竿を出したい素晴らしいポイントであった。そこで、竿を出していたアオリ釣り師が当日朝に釣った2.5キロアップのアオリをスカリに泳がしていた姿を見ると、間違いなく、最高のポイントで、また、伊豆に遠征したときには、ここで竿を出そうと思った。帰宅後、ウツボを家族で堪能する。
伊豆・出雲遠征での素晴らしい出会いに感謝【角田裕介氏連載記事浮きアオリイカ釣り 第33弾】

ウツボ鍋、ウツボから揚げが、絶品で、子どもたちは大喜び。

出雲遠征 活きアジが売ってない!?

伊豆遠征は、不発に終わった。伊豆での天候面での反省から、出雲はホテルを早めに予約せず、釣行予定前日の天気予報から好条件なら釣行しようということとなった。
伊豆は紀伊半島と同じく、活きアジが販売されているが、出雲では販売されていない。出雲で活きアジを泳がすには、大阪、神戸で買っていくか、出雲周辺でアジを釣るかである。
釣り仲間と、出雲周辺の釣具店に電話連絡。出雲ではアジが釣れていない。出雲付近では、出雲から1時間15分の境港でアジが釣れている情報を入手。そこで、境港周辺の釣具店に電話連絡。かめや釣り具米子店と、アングル境港店の店員さんの対応が親切で、詳しくアジの釣れている情報を教えていただいた。
さらに、出雲周辺の渡船に電話連絡。木村ごんげん丸渡船の船長の電話対応(電話 090-4579-1168)が親切で、付近の渡船の船長の電話対応とは、親切丁寧度がまったく異なった。
プランは、初日、境港でアジを釣り、二日分渡船で使用するアジを釣り、アジを活かして境港から出雲へ搬送、木村ごんげん丸渡船の船付き場の海中にアジをつけ、2日目、3日目を渡船利用の沖磯でアオリを狙う。
釣行前日、木村船長に電話し、2日後の出船状況を確認。出船する確約をいただけたことで、木村ごんげん丸渡船の船宿を素泊まり予約。深夜0時に自宅を出発し、早朝4時、かめや釣り具米子店と、アングル境港店の両店舗にて、アミエビを4キロずつ購入し、アジが釣れている場所を丁寧に教えていただく。両店舗とも、電話対応も素晴らしかったし、来店時の店員さんの対応が丁寧で親切、気持ちが良かった。
教えていただいた、境港港 夢みなと公園護岸に4時30分到着。電気ウキが海上に多数灯り、アジを狙う釣り人の多さが分かる。

こういう釣り人になりたい

アジ釣り師のおじさんに声を掛ける。30センチクラスのアジが釣れているようだ。おじさんから、「狙いは?」と聞かれ、アオリイカ釣りで使用する15センチから20センチのアジが釣りたいことを伝えると、「ここには30センチサイズのアジしかいない。50メートル離れたプール状になったところが15センチサイズが釣れる。」とアドバイスをもらい、おじさんに教えていただいたポイントへ移動しサビキ釣りを開始する。1投目に15センチほどのアジが釣れ、おじさん情報に感謝するが、その後、アジが釣れない。おじさんが再び現れ、「ここで、狙うポイントは、指差しでここ。」とピンポントのアドバイスを再度もらい、狙うも釣れない。おじさん 自転車でその場を離れ、10分後、再登場。「300メートル離れた場所で、15センチほどのアジが鈴なりに釣れている。」「そこに移動したら?」と言われ、部署移動。
 移動した場所では、足元で、15センチほどのアジが鈴なりに釣れている。18センチほどの活きアジとして最高サイズも釣れる。

伊豆・出雲遠征での素晴らしい出会いに感謝【角田裕介氏連載記事浮きアオリイカ釣り 第33弾】

 おじさんは、朝マズメの最も30センチサイズのアジが釣れるタイミングに、自分の釣りを中断し、見ず知らずの我々にアドバイスしてくださり、さらに、我々が釣れなかったことを気にして、自転車で釣れている場所を探し周り、確認し、教えてくれたのだ。言葉では言い表せないほどの感謝と感動。こういう釣り人になりたいと、私の釣り人生においても、一期一会のなか、最高の出会いであった。
## 無事活きアジ確保! しかし・・・。
 5時間後、アジ5人分200匹が釣れ、スカリで海中に活かして、温泉休憩。みなと温泉ほのかみで、湯に浸かりリフレッシュする。
伊豆・出雲遠征での素晴らしい出会いに感謝【角田裕介氏連載記事浮きアオリイカ釣り 第33弾】
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 温泉後、アジを車中1時間半移動、境港から出雲へ車を走らせ、木村ごんげん丸船付きの海中にアジを無事沈め、明日の渡船を待つ
 ここまでは、順調。しかし、船宿で、船長から明日天候が悪化予報、昼からうねりが入るため、朝マズメ勝負となる。船長に、希望として「風裏、藻場」を伝え、了承をいただく。
 遠征恒例の宴会も、ほどほどにして、早朝4時、船着き場で渡船準備をする。海中につけていた活きアジをアジバケツに移す作業を実施していた同行者の悲鳴に耳を疑う。
「活きアジ全滅。」
「嘘やろ?」
 昨日、早朝4時から、色々あって確保した200匹をスカリ5個に分けて海中深く沈めていたが、アジの表面が傷だらけ。スカリ内でアジどおしが暴れたのか?こんな経験がないため、なぜ、アジが全滅したのか分からない。アジが傷だらけで真っ白になっていた。

とりあえず沖磯へ

 テンションだだ下がり状態であるが、4時半に、死にアジを持って渡船で沖磯へ向かう。船長は、希望とおり、風裏の藻場に渡してくれた。しかも、ワンド奥となっており、まさに、春イカのポイントであった。
 1投目をキャスト。さっきまで、微風で凪であったのが、急に、横風とうねりが入ってくる。着水した浮きが横風とうねりで即流され、藻に引っかかる。この状況では釣りにならない。さらに、時間とともに、横風とうねりが強まる。9時の磯替えのタイミングで納竿とした客が大勢いたほどだ。9時の磯替えで、移動したポイントは、さらに、うねりが当たり、足元に広大なサラシができていたほどだ。イカ釣りを諦め、根魚釣りに変更する。

伊豆・出雲遠征での素晴らしい出会いに感謝【角田裕介氏連載記事浮きアオリイカ釣り 第33弾】

 良型の、ガシラとメバル釣りを楽しむ。すると、別の磯に上がっていた同行者から、緊急連絡「腰を痛め、動けない。ギックリ腰。」
 寄港後、同行者の動けない深刻な状態から船長に翌日の渡船のキャンセルを伝えると、快く承諾してくださり、「明日は、今日以上に荒れるので、そうした方がいい、また天気の良い日に来てください。」と優しいお言葉をいただいた。
 「また必ず行かせていただきます。」と船長と約束し、帰路に就いた。
 伊豆、出雲と天候に悩まされたが、素晴らしい方々と出会い、話をさせていただいた時間が、どれほど有意義なものであったことか。出会いに心から感謝している。
 この伊豆、出雲での経験を活かして、次回の遠征への課題をあげ、課題を克服することで、次につなげたいと思う。
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