梅雨時の早巻きパターン!佐世保湾シーバス【ずん氏連載 vol.11】 | カンパリプラス

掲載日: 2019/06/18

梅雨時の早巻きパターン!佐世保湾シーバス【ずん氏連載 vol.11】

5月。例年ならあまりぱっとしないシーズンのイメージが強く、得意でないアジングやエギングで時間つぶしをしている頃だ。
しかし今年はおかしい。というか昨年秋からずっとおかしい。

沿岸部から一旦ハケていてもおかしくないカタクチが、いまだに岸に打ち上げられたりしている。そのせいか5月に入ってもマダイや青物の回遊を頻繁に見かける。おかげで本来梅雨頃からのパターンの釣りが既に楽しめる状況になっている。

この記事が掲載されるのもおそらく梅雨真っ只中。せっかくなので私の梅雨の楽しみのひとつ、佐世保湾シーバスの早巻きパターンを紹介したい。

梅雨が熱い!佐世保湾のシーバスゲーム

長崎県北、佐世保市~西海市に囲まれた海域、佐世保湾。湾内から外海(五島灘)を繋ぐ海域が狭く、一見潮流の緩い穏やかな海のイメージがあるが、その出入り口部分の狭さとリアス式の複雑な地形、更に奥に控える大村湾とを繋ぐ針尾瀬戸など、複雑な地形的要素が絡み合い、強烈な潮が流れるポイントが複数ある。

梅雨時の早巻きパターン!佐世保湾シーバス【ずん氏連載 vol.11】

シーバスの個体数は多く、毎年梅雨になると、潮流に乗った回遊シーバスがキビナゴやカタクチを盛んに追い掛け回すようになり、バイブレーションの早巻きで比較的イージーに釣れるようになる。大型こそ出にくいものの、いいポイントに当たれば20匹、30匹と連発して釣れる夢のようなシチュエーションだ。

しかし、比較的イージーとは言ったものの、闇雲に投げて早巻きをすればいいわけではない。そこにはちゃんと、食うに至る理由がある。

そもそも何故、早巻き?

早巻きのメリットは大きく分けて2つあると思う。

一つは「手返し」。回収が早いので投げる回数が増える。ランガンとの組み合わせで、早く釣れるポイントを見つけ出せる。シンプルな理論だが、確実に釣果に直結する。

早巻きのもう一つのメリットは「活性を上げる」効果だ。「?」と思う方もいるだろう。そもそも早巻きは、高活性なシーバスを
てっとり早く探すときに使う手段、というのが一般的だ。「活性を上げる」とはちょっと意味合いが違う。しかしこの早巻きは、使うシチュエーション次第で、シーバスの活性に大きく影響を与えることが出来る。

シーバスの視点から見てみよう。ベイトらしきものが派手な音と振動を出しながらものすごいスピードで一直線に岸に泳いでいる。
ベイトが追われているのでは!?と勘違いするシーバスもいるだろう。そうするとそのシーバスはソワソワしだす。このソワソワが、一段階「活性が上がった」状態だ。

更にキャストポイントを少しづつずらしながら早巻きを繰り返すと、今度は周囲にソワソワしたシーバスが集まる。ここが一番のポイントだ。このソワソワした奴が複数集まると、今度は餌をとられまいと「競争」が始まる。こうなると活性は最高潮だ。

シーバスの本能を利用して「活性を上げる」。この効果こそが、早巻きの最大のメリットだと思う。

梅雨時の早巻きパターン!佐世保湾シーバス【ずん氏連載 vol.11】

潮目の「先」に投げる。

先に書いた通り闇雲に投げていいわけではない。早巻きが効果を発揮する条件がある。ベイトがいること、そして潮が通っていることだ。

ベイトの存在はぱっと見だと分からないことが多い。しかし、ルアーの着水や早巻きに驚いて跳ねるので、ランガンして見つけるといい。

潮流はある程度強いほうがいい。潮流がベイトとシーバスを運んできてくれるのはもちろん、潮目がくっきりと出やすい。シーバスはこの潮目に溜まった、もしくは追い込んだベイトを食べるので、潮目はこの釣りになくてはならない存在だ。

さて、この潮目の狙い方だが、これもシーバスの習性を活かす。早巻きの釣りの場合は、ベイトを潮目に追い込んだとシーバスに誤認させる必要がある。そのため潮目より沖に投げて、潮目を通過させる。もし潮目の先に届かないのなら、そこは諦めて次のポイントを探したほう手っ取り早い。

梅雨時の早巻きパターン!佐世保湾シーバス【ずん氏連載 vol.11】

やっぱりメインはバイブレーション!

早巻きで重宝するのがバイブレーション。手返し、飛距離、早巻き時の安定感、レンジコントロールの点で他のどのルアーよりも優位性がある。

梅雨時の早巻きパターン!佐世保湾シーバス【ずん氏連載 vol.11】

ミノーやシンキングペンシルでも飛んで安定するものがあるが、主に表層中心しか通せない。シーバスの「間合い」を直撃できないのだ。

ベイトを追うシーバスには喰うに至る「間合い」が存在する。その間合いが表層にまで及んでいるならミノー等の表層系のルアーでも大丈夫だが、現実にはそうじゃないことのほうが多い。早く沈み、かつレンジキープしやすいバイブレーションなら、そのシーバスの「間合い」を直撃しやすいのだ。

お勧めのバイブレーションは、長年の定番レンジバイブ70ES。早巻きもちろんどのスピードにも対応し、水平に近い自然なリトリーブ姿勢。なにより沿岸沿いのベイトの代表カタクチやキビナゴに近い波動を放つ文句なしの名作だ。フックサイズを大きくしてもアクションが大きく変わらないのも魅力だ。

梅雨時の早巻きパターン!佐世保湾シーバス【ずん氏連載 vol.11】

ミノーの早巻きにもひと工夫を。

バイブレーションがメインなのは確かだが、バラシが多いという点は致命的な欠点だ。それにバイブレーションの早巻きだけではなかなか活性が上がらない状況というのもある。シーバスの密度が薄い、個体数が少ない時なんかは特にそうなりやすい。

そういう時はミノーでひと工夫。私の場合着水後すぐに巻き始めるのではなく3回ほどジャークを加えてから早巻きする。ダートとフラッシングで、より深く、より広範囲にいるシーバスにアピールするためだ。

ダートには、早巻きよりも強くシーバスにスイッチを入れる力がある。エギングやワインドと同じ理論で、ベイトが追い込まれて暴れまわる動きに近いのだ。それを表層付近で起こすわけだから、そこまで活性が高くない深場のシーバスや、ルアーの着水点より沖のシーバスにも効率的にアピールでき、活性が上がる。

狙い通りそうなればそのままミノーの早巻きで喰ってくる。もし喰うに至らなくても、再度バイブレーションを通すと喰ってきたりする。ルアーによる活性上げが成功したことを実感できる瞬間だ。早巻きの釣りもひと工夫加えるだけで、更なる釣果をひねり出せるのだ。

梅雨時の早巻きパターン!佐世保湾シーバス【ずん氏連載 vol.11】

フック形状にはこだわりを。

この釣りを始めた最初のころは、フックが原因で痛い目にあった。同じルアーを使う同行の友人と20対0の大差で釣り負けたのだ。
私にも何度もバイトはあった。しかし全く乗らなかったのだ。原因はフックサイズが小さく、針先の形状が極端に内向きのものを使用していたことだった。

内向きの針は魚がしっかりルアーを咥えたうえで反転することにより、高いフッキング性能を発揮するが、早巻きの釣りでは魚が反転する前に針先が当たるのでなかなか掛からない。

しっかり口の周りに掛かりやすく、バラしにくい特性があるので、フロント側に取り付けと相性がいいが、リアフックまでこれにしてしまうと、全く掛からない!という現象が起こりかねない。

リアフックだけでも、内向き針とは対照的にとにかくどこかに引っかかりやすいストレートポイントのフックを使用したほうが良い。

梅雨時の早巻きパターン!佐世保湾シーバス【ずん氏連載 vol.11】

狙いは梅雨明け後まで!

この梅雨の早巻きパターンの釣りは佐世保湾に限ったことではない。ベイトが豊富でシーバスフィッシングが盛んなエリアなら、どこかしらに同じパターンが通用するエリアがあるはずなので、ぜひチャレンジしてほしい。

オマケ。格安海外ベイトリールレビュー

安価でショアジギング、ショアプラッギングに耐えうるベイトリールがないか探し続けること数年。ついに海外製品にまで手を伸ばしてしまった…

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価格は日本円にすると10000円弱。ちなみに国内通販ではまだ流通していない。

スプールサイズ、ラインキャパ、内部構造やギアサイズ、ドラグ力、フレーム耐久性など、スペック上は全てクリアしてはいるが…実際はどうなのだろう。

怖いもの見たさで使ってみたものの、性能は予想以上だった。飛距離はプラグもジグも普段使用しているレボビーストと同等。ヒラスズキ相手にも全く不安のないドラグ性能。ファイト中のたわみもなく、耐久性の面も十分。

梅雨時の早巻きパターン!佐世保湾シーバス【ずん氏連載 vol.11】

今日で使用して6回目になるが、今のところ水洗いとスプール周りのベアリングへの注油のみのメンテナンスでノイズもなく使えている。

親指で擦っただけでロゴが消えたのは笑えるが、性能面では今のところ文句はない。

中国製でかなりの安価でありながら、これほどまでに高性能なリールが既に海外市場に出回っているのだから、国内でも同等のリールが安価で手に入る日も近いかもしれない。

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