ショアスロー 魚の居場所を探すカギは!? 【ずん氏連載 vol.1】
7月中旬、全国各地異常な猛暑。もちろん長崎も例外ではない。この気候のせいか、ここ最近の釣果情報に耳を傾けるも、近隣はどこもパッとしない様子。そもそも釣果云々より日中の釣行自体が危険と言える暑さ、情報がないのも頷ける。
では、こんな状況でいったい何を頼りに魚を探せばいいのだろう?
今回の釣りはショアスローだが、私がショアからの釣り全てに共通して重視している「現場での情報収集」をテーマに書いていこうと思う。
ショアスロー 事前の釣果情報ゼロ。ここからどうやって魚を見つけるか?
釣果情報がない状況で何をもとに釣行エリアを決めるのか?最初に気にするのはベイトだ。
フィッシュイーターを狙うわけだから、ベイトの存在は不可欠。釣果情報が手に入らなくても、ベイトの有無ぐらいならとにかく釣り場を見て回ったり、釣り仲間が把握していたり、現場の釣り人が教えてくれたりと情報を得やすい。特にカタクチは、最高のベイトといわれるだけあって、回遊があると釣果につながりやすい。
ベイトの情報さえ事前に手に入らなければ、まずは現場に出向き、見る、聞くを繰り返す情報収集のランガンだ。私の場合はこのベイトの情報が最優先であり、その情報が手に入るまでは情報収集を繰り返すことが多く、実績に繋がっている実感もある。
ショアスロー ベイト発見!釣り開始!でも情報収集は継続…。
ベイトを見つけ、すぐ竿を振ることは良いことだ。しかしそこで思考を止め、闇雲に投げるのではただの運任せになってしまう。竿を振りながら考えるのは「魚にとってベイトを狙いやすい環境があるか?」だ。
魚にはフィーディングタイムが存在する。朝夕のまずめ、風、潮、天候など、複数の条件が絡み合って魚の食いが立つ。ベイトがいる、それだけの条件では釣れない。だからこそ現場での継続した情報収集が大事なのだ。
ランガンと聞き込みでベイトの位置を予測し、辿り着いた松浦市のとある岬。ジグを投げてみて気づいたが、先端付近で左右の潮がぶつかり合っている。魚がベイトを追うにはとてもいい条件だ。そこに大量のカタクチの群れ。これは期待できる。おそらく無風かつ快晴のため、魚のレンジが深すぎてまだボイルなど魚の反応はないが、魚がベイトを追うにはまだ条件が足りないようだ。夕マヅメに期待し、その周辺の地形を探りながら待つことにした。
ショアスロー エソ連発!でもそれは重要なカギ。
ショアジギング(ショアスロー)をされる方は、エソの連発を経験したことがある方も多いはず。嫌われ者のエソだが彼らも立派なフィッシュイーター。エソの連発も貴重な情報、ベイトが多いからこそ、そこに居ると考えていいはず。これは私の経験則に過ぎないが、エソの連発が教えてくれるのは「今はまだ、その時ではない」ということ。他の条件が揃えば、突然大型魚のボイルが!なんてこともよくある。エソしか釣れない、ではなくエソが釣れることである程度の条件を満たしていると推測できる。
今回も40cm前後の中型エソが小一時間で20匹超かかるほどのエソの連発を味わった。
夕まずめへの期待が高まる。
ショアスロー いよいよ夕まずめ!さて、何が起こる…!?
日も傾く中で、ついに変化が起き始めた。突然、アラカブ(カサゴ)の3連発。先ほど散々エソしか釣れなかったポイントだ。夕マズメでレンジが上がってきたのだろう。他の魚も浅場に上がってきているに違いない。
それを証明するかの如く、今度はナブラが立つ。正体はわからないが、とりあえずジグを投入。フォール中のバイトを捉え、寄ってきたのは40cmを超える良型のアジ。
しかし足元で痛恨のバラシ!気を取り直してもう一度投げる。またもフォールでかかるが、バレる。アジ相手にベイトタックルは相性が悪かった。何とか1匹でもキャッチできないかと粘る。しかし、ぶつかり合って均衡していた潮流が突然左からの流れが強くなり、目の前のベイトを押し流してしまった。
最良の条件から一転、ベイトがいなくなるとまるで反応がない。この日は納竿することにした。
ショアスロー 2度目の釣行、果たして状況の変化は?
先日と同じ状況を期待し、5日後の朝に同じポイントへ。日を跨ぎすぎたことで状況は大きく変わってしまっているかもしれない。不安を感じながらポイントに着き、最初に見たのが打ち上げられたキビナゴの群れ。先日見たカタクチはそこには一切居なかった。
不安がよぎるが、キビナゴもベイトには変わりない。幸い潮は先日とほぼ変わりなく、目の前でぶつかっている。魚はいるはずだと信じ、ジグを投入することにした。
朝まずめもそろそろ終わりという頃に、目の前でボイル発生。すかさず投げて掛かったのは小型のヤズ(ブリの幼魚)。小さすぎて楽しめないが、期待は膨らむ。
しかし、ここで最悪の事態。ロッドが折れてしまった。
3年使い続けたロッドだが、出番も多く酷使してきた罰がまさかのこのタイミング。
意気消沈する私に、海はとても残酷なもので、ボイルがヤズから大型のシーバスに変わる…。あと一歩のところで強制的に納竿となった。
ショアスロー 〜まとめ〜
アクシデントもあり、釣果そのものは情けない限りだが、情報ゼロの状況から自力で魚に辿りつくことはできた。そのポイントを選んだ理由については、今回だけでは書ききれないので次回以降も少しずつ紹介していきたいと思う。
今回はショアスローだったが、徹底的な情報収集と、状況変化に敏感になることは、釣種・魚種を問わず共通して重要なことだ思う。漠然とランガンする。とにかく投げ続ける。そういう戦略もいいが、そこに思考と予測が入ることで、ターゲットをより見つけやすく、釣りのテンポも上がるので、ぜひ実践していただきたい。
ショアスロー 〜タックル〜
ロッド
アブ ソルティーステージKR-X SXJC-962MH60-KR(今回殉職)
リール
アブ ソルティーステージ パワーシューター
ルアー
メタルジグ28~40g
ベイトキャスティングモデルならではの巻きあげトルクとプラッキングのし易さが際立つ1本です。