開進丸
9月10日 悔しかったり、楽しかったり
各ポイントのベイト反応が、毎日違う。
これは、当たり前の話でもあるが、昨日は凄く反応が出ていたのに、今日は全然出ていない。
こんな事が、最近、特に多いように感じている。
今日も最初に入ったポイントは、昨日ベイト反応が凄かったポイント。
「ベイト反応が有りますが、やや少ない感じです」
しかし、仕掛けを落としていくと、何らかのアタリが帰ってくる。
その正体は、真鰺や鯖が多かった。
中津留さんに最初にヒットしたのも、真鰺だった。
中津留さんに続けてアタリが来た。
良型のウッカリカサゴ。
渡辺さんにもアタリが来た。
「何か着いているけど、全然引かない」
上がってきたのは、銀色に輝くタチウオ。
「可愛いタチウオです」と笑顔だ。
中津留さんは、出足から順調だ。
今度は、チダイがヒットしてきた。
「綺麗な色ですね」と笑顔だ。
中型だが、鯖もポツポツとヒットしてくる。
やがて、満潮の潮止まりになったこともあり、ポイントを移動する。
「ここは、ちょっと大きめの魚礁が入っています」と、説明する。
潮が動き出すタイミングで、仕掛けを落とし行く。
「仕掛けの回収していたら、何か来ました」
中津留さんに、引きの強いアタリが来た。
ラインが、沖合に向かって伸びている。
最初は「大きなシーラかな」と思ってみていたが、その姿が見えてちょっとビックリ。
船上から見て70~80センチ位は有りそうな、クロマグロ。
実際は、もう少し大きいかもしれない。
船上に、一瞬で緊張感が張りつめた。
ヨコワには大きい事もあり、マグロの走りに何度もラインが切れそうな緊張が走る。
「後少しやど!」
海面近くに浮き上がってきた、クロマグロを引き寄せようとしたとき、針が外れた。
「あっー…!!!」
悲鳴に近い声があがる。
「カーッ、後少しやったとに…。悔しい!」
何とも、後の言葉が出てこない。
みんなが悔しい思いで、獲物が逃げた海を見ていた。
「ポイントを変えましょう」
気分を変えるため、ポイントを移動する。
山元さんにアタリが来た。
上がってきたのは、良型の鯖。
「鯖の走りも楽しいですね」と笑顔。
再度、ポイントを移動したところで、渡辺さんにアタリが来た。
小気味よく竿を曲げ、ハガツオが上がってきた。
「ハガツオが来て、嬉しいですね」と笑顔。
この頃から、北東の風が強く吹き始めた。
「風が有る程度避けられる処に、行きましょうか」
ポイントを移動して、山元さんにアタリが来た。
「鯖とは違う強さを感じます」
上がってきたのは、小型のハマチ。
渡辺さんにも、アタリが来た。
やはり、此も小型のハマチだった。
「こん型なら、もっと群れているはず」
中津留さんにアタリが来た。
上がってきたのは、イトヨリダイだった。
「ラストぎりぎりで、集中して釣りました」と、笑顔だ。
今日は、北東の風がやや強かったけれど、楽しかったり悔しかったりと釣りを味わえた。
山元さんと中津留さんが、走る船の船首に立ち、海風を受けながら帰港した。