開進丸
3月29日 海はべた凪
こんな風に予報が外れるのは、嬉しいばかり。
港を出て、裸バエのアタリから北方向に掛けて、鰯の群はもの凄い。
海面の至る所に鰯のナブラが出来て、鳥たちが追いかけている。
鰤のナブラは見かけなかったが、ベイトの範囲が広すぎて気づかなかったのかも知れない。
暫く、蔵屋さんが鯛ラバで、私がジグで探ってみたがアタリが出なかったので、沖合のポイントへ移動。
昨日からの、澄み切った感じの青い潮は変わらず、上り潮だ。
昨日と違ったのは、潮の流れが速い事。
1.6~2.1ノットの速さで北に流れている。
しかし、上潮も下潮も同じ方向に流れている様で、着底は取りやすい。
この時期、イサキが出始める頃でも有るので、瀬の多いポイントを攻める。
潟より程ではないが、ベイトはそこそこ魚探に反応している。
蔵屋さんにアタリが来た。
竿先をコンコンと叩くアタリ。
巻き上げる途中でも、時折激しく暴れる。
このアタリの前に、針外れが有ったのでゆっくりと慎重に巻き上げていく。
上がってきたのは、良型のイサキ。
「良かった。今日の本命が釣れた」と、蔵屋さんの笑顔。
「イサキは群れで居ますので、まだ来ますよ」
すると、直ぐにアタリが来た。
「おおっ、引きが強いです。ラインが出ますね」
横で見ていると、ラインが船の下に入っている。
「ゆっくりで良いですよ。魚の引きに併せて、ゆっくりとやり取りしてください」
「今までで、一番の引きです」
「船の向きを変えますので、そのままゆっくりやり取りしてください」
船の向きを、北東向きから西向きに変えようとした時、「あっ!」針が外れた。
「あーっ、残念。大きかったのに、ラインが巻けなかった」
可成りの大物の様だった。
「仕方ないです。又、来ると思います。頑張りましょう」
船を戻して、少し浅場を流していくと、又しても蔵屋さんにアタリが来た。
時折、ラインが止まる走りを見せている。
上がってきたのは、オオモンハタ。
「良い型のハタが来ましたね」
「はい、嬉しいですね。アタリが出てやり取りは楽しいですね」と、笑顔。
「ちょっと、ポイントを変えてみましょうか」
アタリは、流し直すたびに出ているのだが、このポイントは少し休ませておこう。
移動した、ポイントでも一投目からアタリが来た。
30センチ弱の真鰺が、続けて当たってくる。
潮の速さは、潟近くはやや落ち着いてきているようだが、沖合は相変わらず2ノット前後で流れている。
流れる方向も、真北から北東方向に変わってきている。
それと同時に、風も殆ど吹かなくなり、海もべた凪になってきた。
「こんなにべた凪になるとは、思っていなかったですね」
「最高の釣り日和ですね」
こんなチャンスは、滅多にない。
潮の流れがやや沖向きになったところで、ポイントを移動。
「沖向きに、瀬が有るところを流しましょう」
魚探でベイトを確認すると、瀬の落ち込んだところに、ベイトが纏まっている。
海底から少し浮き上がって、瀬の形に添って蛇行している。
「アタリが出ると思います」
蔵屋さんが、鯛ラバで海底付近を攻めていく。
「来た。何か来ました」
「良い感じの引きですね」
「いきなり、ラインが出ていきました」
何が上がってくるか、海中を見ていると「メジナみたいですね」
「あっ、メジナだ。今日のもう一つの本命です」とね蔵屋さんが嬉しそうだ。
「メジナが群れているのですかね」
「そうかも知れませんね。何かが触りますか」
「何かが、時折当たるんですが、針に乗らなかったのです」
魚探に映るベイトは、もしかしたらメジナかも…。
又しても、蔵屋さんにアタリが来た。
「今度は、何が上がってきますかね」
「イサキなら嬉しいですね」
蔵屋さんの希望どおり、良型のイサキが上がってきた。
「春になりましたね。これから、水温が安定すればイサキが良い感じになってくるでしょうね」
「楽しみが増えてきますね」
竿先が突っ込むアタリが来て、針が外れることも何度かあった。
本命の真鯛に加えて、イサキ、メジナが混じってくれば、益々楽しくなってくる。
明日からの、天気の下り坂が気になる。