2月26日 気分は上々(午後の部)
午前の部の塩田さん、Bさんに替わって、関屋さん、織部さんを乗せポイントへ急ぐ。

「午前中は、良い釣果でした」

「真ハタが良かったですね」

「真鯛も良い型だったし、後、鰤が出たら最高ですね」

午前中の釣果に、自然と会話も弾む。

「頑張りましょう」

ポイントにはいると、潮が完全に下り潮に変わっていた。

「潮が変わっていますね。船を流すコースを変えます」

潮が、北から真南に流れている。

「此処に幾つか有る魚礁を、渡っていくように流しますね」

直ぐに関屋さんにアタリ。

竿を絞り込むアタリだったが、途中で針外れ。

「外れてしまった」

その直後に、織部さんにアタリが来た。

「走り回りますね。エソではないですね」

上がってきたのは、良型の真鯖。

「どおりで走り回るはずですね」

織部さんは「大きなニベが釣りたい」と、希望を持って岐阜県から見えている。

「スロージギングの要領も少し、分かってきました」

初スロージギング挑戦に、大ニベがヒットするか…楽しみだ。

「潮が海底から10メートル上くらいあがると、動いてますね。急に重くなってきます」

「潮の動きが分かるんですか」

織部さんが、関屋さんに聞かれている。

「ジグや鯛ラバが、途中で急に重たく感じる層があります。其処がポイントになると思います」

関屋さんの、このアドバイスが、後で活きてくる。

「ポイントを変えましょうか」

沖合のポイントから、潟よりのポイントへ移動する。

「ベイトの反応が、小さなベイトボールの集まりに変わっています」

「この反応は、珍しい反応だと思います」

魚探の反応の変化を見落とさないように、見続けていると織部さんの声がした。

「来た!」

「走る。走ります」

ドラッグから、ラインが出ていく。

「ゆっくりやって下さい。ここからは織部さんの時間です」

ラインが船底に入っていく。

「船を動かしましょうか」

「大丈夫です。大丈夫です。少しずつ浮かしていきます」

獲物の動きを見ながら、織部さんがラインを回収していく。

潮が澄み切っている分、海中の様子が良く分かる。

「浮いてきた」

「見えた。ニベです。大きなニベです」

120センチ、13キロの大きなニベが上がってきた。

「私の希望が叶いました。2日や3日位では、大きなニベは釣れないだろうと思ってました」

織部さんと、祝福の握手をガッチリと交わす。

先の関屋さんのアドバイスが、活きた瞬間だった。

「潮の動きを感じたときに来ました」

大きなニベを手にして、織部さんの笑顔が良い。

織部さんの、ニベの釣果を祝福する関屋さんにも、強烈なアタリが来た。

ラインが一気に出ていく。

「よっしゃ、止まった」

反撃開始の体制を取ったとき、「あっ、外れた」

針が外れた。

走りから想像して「青物だったみたいですね…」と、口惜しい。

その後も、粘ってジグをシャクリ続けたが、アタリは出なかった。

「また、頑張りましょう」

口惜しい思いと、祝福の気持ちを持って帰港した。

「織部さん、おめでとうございます」