9月29日沖に出てみた
夜明け前の、船着き場。

北東の風が、吹き始めている。

「今のところは、そんなに強く吹かないですね」

佐藤さん、三浦さんと「取り敢えず、出てみましょうか」と、船を出す。

「まずは、朝間詰めのタチウオを、狙ってみましょう」

沖は、ウネリが高いみたいで、猪崎鼻の岩場に波飛沫が上がっている。

沖から入ってきたウネリが、この岩場に最初に当たってくる。

港内のタチウオの調子も、イマイチに感じているが、竿を出してみる。

ベイト反応はあるが、なかなかアタリが出ない。

「来ました」

佐藤さんの竿が、弧を描いている。

「タチウオが来ました」

海面近くに、針掛かりしたタチウオが見える。

指4本クラスのタチウオが、上がってきた。

「この調子で、当たってきて欲しい」

心の中で、強く願っている。

次のアタリが、なかなか来ない。

諦め掛けた時、佐藤さんに強いアタリが来た。

竿が大きく曲がり、重量感はタップリ。

「タチウオと違うけど、何やろうか」

「もしかしたら、エイかもですね」

三浦さんが、その引き具合から想像する。

やがて、姿を見せたのは、三浦さんの言ったとおりのエイだった。

「重量感有りますね。5キロ以上は有りますよ」

針を外して、海に帰す。

このエイを機に、場所を移動する。

風とウネリを考えて、直ぐに避難できるところ。

水島の近くに、船を走らせる。

やはり、北東からの高いウネリが寄せている。

ベイト反応を見つけて、船を流すがアタリが来ない。

大きなサラシの中に、青物のナブラがたった。

直ぐに、三浦さんがキャストするが…。

なかなか当たらない。

そうこうしている内に、北東の風が強くなってきた。

ウネリも高くなって、白波が立ち始めた。

「内場に入ります」

早めに移動して、安全を確保する。

内場にも北東の風が、強く吹き付けてくる。

コースを変えて、船を流すが当たらない。

時折アタルのは、エソばかり。

「ナブラがある」

三浦さんが、ナブラを見つけた。

「準備して、走るよ」

船を走らせ、ナブラに近づく。

直ぐに三浦さん、佐藤さんがキャストする。

三浦さんが、獲物を掛けた。

「元気が良い」

針掛かりしている獲物が、船の周りを走り回る。

何とかして、浮かしにかかる。

上がってきたのは、スマカツオだった。

ナブラの正体は、スマカツオの群れだった。

ナブラが長続きせずに、消えてしまった。

この後は、再び沈黙の時間。

なかなかアタリがない中、三浦さんが何かを掛けた。

サゴシがヒットしてきた。

しかし、この後は又しても、沈黙の時間になってしまった。

何処を流しても、アタリがない。

「引き上げますか」

北東の風も、益々強くなる中、風を正面から受けながら帰港した。

#九州 #宮崎 #サーベリング #タチウオ